ついにメジャーへ! ライブパフォーマンスが拡散され物議……の大森靖子って?
──○○の「パクリ」って言われるのは、嫌でしょう。 大森 いや、「パクリ」って言われるのが嫌なんじゃなく、“パクリがダメ”っていうのが嫌。生まれつきの性格とか遺伝子とかレベルで、こういう人って決まっているのは嫌なんですよ。音楽とか、自分で選んで好きになったものとかで自分が形成されているってほうがいい。iPodの中身みたらだいたいその人の人柄がわかるじゃないですか。それでいいとおもってて。日本人はパクリでいいんですよ、最初は。ずっとそうだったんだから。(パクリの)才能がすごくてきめ細かに真似できたから、工業が発達した。車もそうだし。で、まじめで1mm、0.1mにこだわってきたから元のよりいい品物ができて、世界に評価されてきたわけだから。
──大森さんといえば、やっぱりライブですよね……独特の。いつからこんなふうに? 大森 ずっと家にいて1人でずっと絵を書いたりとか、大学でも誰とも一言も喋れなくて声を発した記憶がなかったりとかして、その分じゃないですかね。でも最初から人とコミュニケーションと思ってたわけじゃなくて、初めは下向いて、顔みられるのも嫌だったから髪で隠して地べたに座り込んで歌ってた。「ひたすらでかい声を出してすっきりする大会」みたいな感じで。それが、自分の音楽よりもお客さんの顔のほうが表現力あるときとかあって、お客さんって面白いんだって思ったりして、だったらこっちも表現しようって、その“対等”っていうことを意識しだしてから、ライブってこんなに楽しいんだって思うようになりました。 お客さんとステージ、それを対等にしたいって思ったんですよ。バンドでは、サウンドがでかいから威圧的でそれに支配されるじゃないですか。圧倒的にステージが主ですよね。それすごいいいことで、いい音を出したらいいライブができる。でも、“事件性”はないっていうか。ははははは。で、アイドルのライブは、お客さんのほうが声が大きかったりすることも多いんですよね。「この子を応援して僕が上にあげてあげたい」って盛り上げる。どっちもすごい好きで。 私のファンには両方いるんですよ。盛り上げようとするファンと、大森さんはそんなふうに盛り上がって聴くもんじゃないので静かにだまれみたいな人と。ずっとぶつかりあってる。それがすごい楽しい。ははははは。みんなの声や表現が対等に存在して、すごい気持ち悪い空間になって、それでクーラーの音とか野外だったら他のステージがうるさくてこっち聴こえないとか、雨が降ってきたとか、そういうのに壊されたり気持ちよくなったり。なんでもいいんですよ、面白がってくれたら。