ヤマザキマリさんも絶賛!「温泉宿アワード」グランプリの宿は「賢帝ハドリアヌスの浴場のモデル」
『婦人画報』では2024年新年号で好評を博した「温泉宿アワード」を、2025年は小誌の創刊120周年にちなんでパワーアップ!温泉好き120人が、5つの部門で投じた票を集計しました。総合で最も得票数が多かった温泉宿をご紹介します。
【総合部門グランプリ】妙見石原荘(みょうけんいしはらそう)[鹿児島・妙見温泉]
“料理、ロケーション、極上の掛け流し湯。湯客を心底満足させてくれます”─松田忠徳さん “秘湯的な雰囲気でありながら上質でしっかりした設備を備えた名宿”─岩佐十良さん 【推薦者】 岩佐十良さん(「自遊人」代表取締役・クリエイティブディレクター) 定家亜由子さん(日本画家) 月山ももさん(ひとり旅ブロガー・エッセイスト) 松田忠徳さん(温泉学者・旅行作家) ヤマザキマリさん(漫画家・文筆家・画家)ほか 1966年の開業以来、時代とともにしなやかに進化を続ける「妙見石原荘」に、今回の温泉宿アワードでは多くの温泉ファンが票を投じました。 当初は団体客向けの宿だったのを、2代目が現在のゆったりとした湯宿へと大きく舵を切り、3代目となったいまも常によりよい形を追求してゲストを魅了しています。 2024年の温泉宿アワードでもこちらを推薦いただいたヤマザキマリさんは、連載中の『続テルマエ・ロマエ』でもその素晴らしさを描いています。 「賢帝ハドリアヌスのハイセンスな浴場のモデルとして登場させていただきました。美しい自然と良質の温泉を引き立てるための知性と謙虚さが、内側からさりげなく溢れ出ていること、ほどよい距離間でなされる質の高いもてなしは、意識的に演出できるものではないと思います」 <写真>大浴場「天降殿」は、毎分150リットルが湧き出る源泉に最も近いところに造られている。ローマ風呂の趣も感じながら、鮮度抜群の湯に浸かる至福。
日本画家の定家亜由子さんは2017年に訪れて以来、大ファンに。「湯のパワフルさと気持ちよさ、力強い土地の食材を使った料理……温泉旅はもうこのお宿だけでいい!と思えるほどのめくるめく湯と食のフルコース」という惚れ込みようです。 渓流に面した露天風呂は、野趣溢れる、を通り越して自然そのものの温泉。客室の温泉も天降川(あもりがわ)に面しており、部屋にいても自然に抱かれているような感覚に浸ることができます。 妙見温泉の泉質は含土類(がんどるい)重曹泉。「抗酸化作用は調査でも実証済み。真の美肌の湯と言えます」と温泉学者の松田忠徳さんも太鼓判。保湿成分であるメタケイ酸が豊富で、ほのかに炭酸も含まれています。 その上質な湯を素のまま味わうために、「源泉湧出地からなるべく近い場所に浴槽を造り、常に新鮮な源泉を楽しめるよう熱交換器で温度調節するなど工夫がすごい」と、旅ブロガーの月山ももさんも讃えます。 <写真>渓流に面した貸し切り露天風呂「七実の湯」