最高の焼き立てフィナンシェが待っている! フランス菓子界の父のレシピを受け継ぐ、大手町の名パティスリー
【ご褒美スイーツその③】「ルノートル クッキー ショコラ・オ・レ&ノワゼット」
濃厚なヘーゼルナッツとミルクチョコレートのソフトクッキー。こちらも、お店で成形し焼き上げられる。仕上げにしっかりと火を入れて香ばしさをつけたキャラメルを表面に絞り、粉砂糖を振って仕上げられる。
表面のヘーゼルナッツのクランブルがガリッと。中の生地はしっとり、大きめのチョコチップがねっとり。食感のコントラストが素晴らしい。濃厚ながらも軽やか。キャラメルソースが香ばしく、ほんのりと苦みを感じさせ、大人の味わいを演出。
今、パリではソフトタイプの大ぶりのクッキーがモードとなっているが、それをルノートルらしく、うまみの強いヘーゼルナッツを主軸に味を組み立てた完成度の高い逸品。
【ご褒美スイーツその④】「フイユ・ドトンヌ」
「フイユ・ドトンヌ」は「秋の葉」という名の生ケーキ。50年以上にわたり、不変のレシピとノウハウで引き継がれるルノートルのスペシャリテだ。構造的には、メレンゲをチョコレートのムースで包み、さらにそれをチョコレートで包みこむという、いたってシンプルなものだ。
豊潤なム-スショコラノワールに、さっくりと軽やかな食感のメレンゲがよく合う。濃厚な味わいなのに、軽やかな後味。なんとも不思議なケーキだが、このようなムースを50年以上も前に生み出したガストン・ルノートル氏の才能には驚かされる。
そしてこのケーキを更なる高みに押し上げるのが、この店のコーヒー「アメリカーノ」だ。現在ルノートルのクリエーション・ディレクターを務めるギー・クレンザー氏は、なんと1988年にシャルキュトリー・トレトゥール部門、1996年にキュイジニエと、2つの部門でM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を獲得している人物だが、2016年にはバリスタ・焙煎士の資格も取得。その彼がお店のケーキに合うようにと用意したのがこちらのコーヒー。単体でコーヒーだけ味わうと、やや酸味が強く感じられるが、フイユ・ドトンヌと合わせるとお互いに引き立て合う、まさに至高のマリアージュとなるのだ。