「山川穂高がMVP」はアリなのか? 「子どもを含むファンに対して彼でいいのかと…」
「大谷翔平がMVPでいいのか」という議論は、史上初の“50本塁打50盗塁”達成で決着したようである。 【写真をみる】スゴい人脈! 「大谷翔平」に「北村一輝」“有名人と2ショット”でニンマリの山川穂高 だが、パ・リーグのそれはすんなりといかなそうだ。
山川穂高が“最有力”
ソフトバンクが4年ぶりにリーグ制覇を果たした。三冠王など出色の個人成績を挙げた選手がいない限り、MVPは優勝チームから選ばれる傾向にある。 では、ソフトバンクの中で誰がふさわしいかというと……山川穂高(32)が最有力としかいいようがないのだ。 昨年5月、山川の性的暴行疑惑を週刊文春が報じると、西武は彼の出場選手登録を抹消した。東京地検は嫌疑不十分で不起訴処分としたが、主砲の不在に苦しんだ西武はシーズン5位に沈んだ。 オフに山川はFA宣言し、ソフトバンクに移籍。西武ファンからは怨嗟の声、ソフトバンクファンからもブーイングを浴びた。
「あの件は引っ掛かります」
そんな山川だが、開幕から4番を務め、大谷と同様、本塁打と打点の2部門でタイトルを手中にしつつある。 他の候補といえば、同僚の近藤健介(31)が首位打者を取りそうだが、17日、故障で登録を抹消されてしまった。投手では9月24日現在、有原航平(32)がハーラートップタイ、モイネロ(28)が防御率1位だが、インパクトに欠ける。そもそもソフトバンクは3年も優勝から遠ざかっていた。つまり「山川のおかげで優勝できた」感が否めないのだ。 MVPは記者の投票で決まる。その記者の一人は、 「あの件は引っ掛かります。子供を含むファンに対して、彼がMVPでいいのかと」 と胸中を打ち明ける。 「本来は純粋に今季のグラウンド上の活躍で決めるべきですが、われわれも人間ですから。同じく記者投票で決まる殿堂入りで、記者に嫌われていた落合博満氏が票を伸ばせなかったように、MVPの投票でも私情は排除できないでしょう」
「週刊新潮」2024年10月3日号 掲載
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