食材の価格高騰 「コメ」「乾物」「輸入品」は値上がりが顕著
今年、特に値上がりが顕著な食品について見ていく。 【画像】さまざまな食材が価格高騰するなか…値上がり幅が少ない食品は?
■高止まり続くコメの価格
特にコメの値上がりが顕著だった。 去年の猛暑による品質の低下に加え、コロナ後の需要回復などにより、店頭でコメが品薄状態となった。そのため、価格が高騰。“令和の米騒動”とまで言われた。 そうしたなか、8月に坂本哲志農水大臣(当時)が会見で、「コメの品薄は今後、順次回復していく見込み」と発言。新米が流通すれば価格も落ち着くとの見通しを示した。 ただ、総務省が発表した11月の消費者物価指数によると、コメは前の年の同じ月に比べ、63.6%も上昇した。その理由は、業者による買い付け競争が激化したためだという。 では、今後はどうなのか?第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生さんによると…。 ・肥料と燃料費の高騰 ・コメの生産者数の減少 ・生産者が減ったことによる供給量の減少 ・買い付け競争の影響 これらが続くため、来年もコメの高止まりが続くのではないかと言う。
■値上がり幅が少ない食品は?
輸入品も、さまざまなモノが高騰している。 牛肉を見てみると、新型コロナによる緊急事態宣言が全国に発令される前の2020年1月~3月、いわゆるコロナ前に比べ、国産牛肉は10.1%、輸入牛肉は35.1%も上昇している。 その理由として、熊野さんは「円安」「人件費の高騰」「日本に運んでくる船などの燃料費の高騰」が影響しているという。 その他の輸入品では、小麦がコロナ前と比べて32.9%の上昇。ロシアによるウクライナ侵攻が影響しているという。 そして、チョコレートはコロナ前と比べ、45.6%の上昇。これは気候変動によるカカオの不足が影響しているという。 一方、値上がり幅が少ない食品は国産品。為替の影響がないためだ。 また、原材料が輸入品であっても、国内で製造している加工品は、海外に比べて人件費が上昇しておらず、原材料も安い時に多く仕入れているので値上がり幅が少ないという。 例えば、「そうめん」「餅」「シリアル」などが、当たるとのこと。
■昆布も…高騰傾向の乾物
乾物の価格高騰には、さまざまな要因があるという。 「かつお節」は、コロナ前から40.1%の上昇。熊野さんによると、「近年続いているカツオの不漁」「国際的なツナ缶需要の増加」などが理由に挙げられるという。 ツナ缶には、マグロのほか、カツオも多く使われるようになっている。そのため需要が増え、原材料のカツオが高騰している。 そして「昆布」は、コロナ前から11.8%の上昇。こちらは「昆布漁師の減少」「気候変動による海水の上昇で不漁となり、過去最高値圏になっていること」などが理由に挙げられるとのこと。
テレビ朝日