ふるさと納税、初の1兆円超え 利用者、過去最多1千万人規模に
ふるさと納税制度による寄付総額が2023年度に初めて1兆円を超えたことが25日、分かった。寄付で居住自治体の住民税が軽減される利用者も増加し、過去最多の1千万人規模に達する見通し。返礼品の品目充実や、仲介サイトによる特典ポイントが寄付を後押しする形となっている。物価高騰下の節約志向も追い風となった。総務省が来週にも自治体別の寄付額を含めて集計を公表する。 【写真】山梨の返礼品マスカットに苦情 ふるさと納税「低評価」も 23年
特典ポイントに関して総務省は「本来の趣旨とずれ、過熱している」と指摘。来年10月からポイントを付与する仲介サイトの利用を自治体に禁じる方針で、寄付の動向に影響する可能性もある。 返礼品は和牛や海産物、果物などが人気で、自治体も寄付獲得を目指して品目を拡充している。仲介サイトの運営業者によると、物価高が続く中、近年は日用品を選ぶ利用者も増えている。 ふるさと納税制度が始まった08年度の寄付総額は81億円だったが、寄付上限の引き上げなどで人気が集まり、18年度に5千億円を突破。22年度は9654億円だった。