青森を巡って人々を元気にさせるアート作品に会いに行こう
“境界”をテーマとした作品を発表し続ける栗林。この作品に対しては、“境界”を可視化するよりも、見えないことについて考える機会になったという。 「最初は“境界”を意識していたのですが、実際に作ってみると、境界線=ボーダーって見えないこともあるのだと思いました。放射能もそうですし、このプロジェクトの途中で新型コロナウイルス感染症もありました。人って、見えないものに対してすごく恐怖を感じるんです。ボーダーをあえて見えないようにすることや、目に見えないエネルギーについてなど、僕の中のテーマも変わってきているんですよね」
《元気炉》は釜で炊いた薬草のスチームを建物の中に送り込むという仕組み。室内に入ると、びわの葉やレモングラスなどの薬草が配合された柔らかい蒸気に包まれ、サウナのようにじっくりと体の芯から温まることができる。設置する土地のものをなるべく取り入れようと、現地では釜から蒸気とともにできたハーブティーもふるまっていた。 本アートフェスのテーマでもある「つらなりのはらっぱ」に寄り添い、各会場へ毎週末キャラバンのように出現する作品。青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森、八戸市美術館でのイベントは終了し、次は十和田市現代美術館、弘前れんが倉庫美術館へと続く。地元の音楽家たちとのセッションやフード&ドリンクの出店も楽しめる。閉幕まであと少しなので、ぜひ、この機会に足を運んでみて欲しい。 栗林隆《元気炉》「Aomori GENKI-RO Trip」巡回情報 日程:8月24日(土)・25日(日) 会場:十和田市現代美術館 前庭 住所:青森県十和田市西二番町10-9 時間:作品稼働は24日(土)17時~19時 入場料:参加無料 日程:8月28日(水)~9月1日(日) 会場:土淵川吉野町緑地(弘前れんが倉庫美術館前) 住所:青森県弘前市吉野町2-7 時間:作品稼働は8月30日(金)~9月1日(日)17時~20時 30日、31日は夜間開館(※19時閉館) 入場料:参加無料 BY MICHINO OGURA