揺れるフランス金融市場、マクロン氏が表明した選挙実施に強く反発
(ブルームバーグ): フランスのマクロン大統領が今週表明した総選挙実施に対して、投資家は即座に厳しく反応した。同国の財政が一段と悪化する恐れがあるだけでなく、新たなユーロ危機の懸念さえ持ち上がっている。
特に打撃を受けているのがフランス国債だ。フランス10年債と同年限ドイツ債とのスプレッドは週間ベースでの拡大幅が2011年以降で最大となる勢いだ。フランス国債を多く保有するソシエテ・ジェネラルやBNPパリバ、クレディ・アグリコルの株価はいずれも今週に入り10%余り下落している。
仏主要株価指数CAC40指数は年初来の上げを失い、週間ベースは22年3月以来の大幅安となる見通しだ。今週のユーロは主要通貨の中で対ドルの下げが最もきつい。
マクロン氏率いる与党「再生(RE)」が6月30日と7月7日の2段階で行われる総選挙で議会の基盤をさらに失うのは投資家が望んでいないシナリオだ。選挙の結果次第では、同氏がマリーヌ・ルペン氏率いる極右政党・国民連合(RN)から首相を任命する可能性もある。
フランスの左派系政党が総選挙に向けて、結束することで合意しことを嫌気し、同国の株価は14日に下げを拡大した。
極右もしくは左派が躍進すれば、すでに財政赤字を抑制できずにいるフランスがさらに政府支出を抱えることを意味する。また一方で、同国が欧州連合(EU)での緊密な関係にどれだけコミットするのかという疑問も生じるだろう。
フランス、総選挙で左派勝利ならEU離脱も-ルメール財務相が警告
フランス左派系政党、総選挙を控え結束で合意-マクロン氏に打撃
原題:Macron Election Call Sends French Markets to Worst Week in Years(抜粋)
--取材協力:James Hirai、Verena Sepp、Vassilis Karamanis、Naomi Tajitsu、Farah Elbahrawy.
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Alice Gledhill, Sagarika Jaisinghani