長野県松本市の災害廃棄物仮置き場が不足見込み 広域処理も視野に検討
長野県松本市などを縦断する糸魚川―静岡構造線断層帯を震源とする想定最大規模の地震が発生した場合、市内で約280万トンの災害廃棄物が発生し、仮置き場が約70万平方メートル不足する見込みであることが市の推計で分かった。市は県や国と連携して仮置き場の確保を進め、広域処理についても検討する。 国が平成31(2019)年に改定した災害廃棄物対策指針に基づいて市は廃棄物の推計量と仮置き場必要面積を推計し、本年度末の策定を目指す災害廃棄物処理計画改定案に示した。国の指針は近年の災害事例を踏まえ、半壊の建物や公共施設から出る解体廃棄物を新たに推計の対象に加えるなど算出方法を変更した。これにより廃棄物の推計量は市が30年度に策定した現行計画の約196万トンから大幅に増え、仮置き場の必要面積も約46万平方メートルから約107万平方メートルに拡大。現在市が確保する面積約38万平方メートルの3倍近くとなった。 市は現在、市有地を仮置き場に選定しているが、計画案では今後、県有地や国有地も選定候補に含め「必要面積の確保に努める」としている。一方、仮に県・国有地が確保できても必要面積には及ばない見込みで、他自治体や民間企業との連携による処理も視野に処理体制の整備を進める方針だ。 計画案では同市安曇~伊那市の「境峠・神谷断層帯(主部)」地震や風水害の災害廃棄物推計量も記載し、処理の手順を示している。市環境・地域エネルギー課は「新たな計画の策定でスムーズな処理を目指したい」としている。
市民タイムス