「アメリ」黒石奈央子によるビジネスウエア「シス」が9月17日発売 青山商事の起爆剤となるか
一部を除くジャケットやワンピースなどはマシーンウオッシャブルというイージーケアも特徴としている。「『アメリ』ではなかなか実現できなかった機能性の部分では、青山商事のクオリティーの高い生地開発はとても勉強になった。今回の協業は自分自身にとっても新境地になっている」と黒石は話す。
ローンチ発表日にSNSフォロワー1万人増
青山商事の河野克彦・執行役員TSC事業本部長は、黒石抜擢の狙いを2つ挙げた。1つは、在宅勤務が増えたコロナ明けのオフィス通勤が戻り、ビジネスウエアに対するニーズが変化してきたこと。もう1つは、SNS流入を期待したOMO(オンラインとオフラインの融合)の推進だ。「従来のスーツとしての役割だけでなく、洋服と同じ独自性のあるデザインや毎年着たくなるサステナブルな付加価値に着目した。またわれわれが得意とする着回しや機能性の要素を掛け合わせることで、新たなニーズを獲得できると考える。また、29万人のフォロワーを持つ黒石さんが強みとするSNSを活用したプロモーションなどを積極的に取り入れ、ウィメンズのEC売り上げは前年同期比で1.5倍を目指す」。
「シス」のインスタグラムアカウントはブランドローンチ発表会の日に開設したが、その1日で1万人のフォロワーを集めたという。「黒石さんを起用することで、既存ブランドにはない企画力や斬新なアイデア、新たな販売手法を用いたビジネスモデルを構想した。それは、クロージングを得意としてきたわれわれに弱かった“カジュアル”の部分で、トレンドと実用性を加えられると考えた。さらに彼女の知名度とデジタル施策の相乗効果により、大きく期待したい」と意気込む。
さらにこれを機に国内では西日本での販路を拡大し、21日からは中国での越境ECの取り組みを開始する。アリババ・グループ(ALIBABA GROUP)の自社ECサイト「タオバオ(TAOBAO)」と中国版インスタグラム「RED」(レッド、中国語で小紅書)でのライブコマースを計画。商品を直接アプローチすることで、海外での市場拡大も狙う勢いだ。