なぜ? 中京と小倉の開催時期入れ替えを解説 8・10開幕、中京芝傾向も“予測”
今回の「ケイバラプソディー~楽しい競馬~」は明神理浩記者が、今夏の小倉&中京開催時期について解説、8月10日に開幕する中京の芝傾向についても“予測”した。 ◇ ◇ ◇ 今夏の中京と小倉の開催順入れ替えが発表された当初は、いろんなうわさが流れました。 「中京でも新潟のような暑熱対策をするらしい」。「小倉だと栗東に帰ってくる時間の問題(日付が変わって労働問題が発生)がある」…。 記者もJRA関西広報室に問い合わせましたが、前記の話はただのうわさ話。実際の開催順変更は複合的な理由からなのですが、中京競馬場の「馬場保護」が大きく関わっているということでした。 というのも、中京競馬場はG1開催場で4大場(阪神、京都、東京、中山)に続く位置づけ。関係者のニーズも高い競馬場です。通常は1月、3月、6月後半~7月、12月とほぼ断続的に開催されており、馬場の管理が難しい所です。例年7月後半に夏の開催が終わると本格的な馬場の修繕(芝の張り替え)に取り組みます。約4カ月でしっかりと整え、12月から始まる新たな開催に備えます。 しかし、6~7月に加えて9月にも開催してしまうと、秋にまとまった馬場修繕の時間が取れません。芝は繊細。気候の影響も受けやすく、いつも人間の思うように生育してくれるとは限りません。 そこで、今夏は小倉と中京の開催順入れ替えという結論に至りました。今年の3月中京は高松宮記念が行われた24日に終了。そこから8月10日の夏開催初日までは4カ月半の間隔があります。これなら、じっくりといい馬場状態に持っていけるというわけです。 中京競馬場の施設整備課に現況を聞くと長岡慶幸課長は「3月の開催が終わってすぐに芝の張り替えを行いました。今年は1万5000平方メートル。去年は1万8000平方メートルでした。今年は、1月の開催がなかったので、傷みは去年より少なかったです。張り替えた後に気温が上がって、順調に生育しています」と説明してくれました。 例年6~7月開催時の中京芝はオーバーシード(洋芝)されている状態ですが、今夏は野芝のみでの開催。ここも、ポイント。実は京都競馬場が改修中だった21、22年の9月開催時も中京は野芝でしたが、時計が速くなる傾向がありました。22年セントウルSでは、メイケイエールが芝1200メートルでレコード(1分6秒2)を樹立。「2年前は少し時計は速かったですね」と同課長。この夏は、スピードあふれる中京競馬が楽しめそうな予感…。来月10日の開幕まで、しっかり頭に入れておきたいところです。 (ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)