【オートレース】もっと、もっと。北市唯がレーサー2年目に見据える目標~浜松・報知新聞社杯
◆第52回報知新聞社杯(12月21日・初日、浜松オートレース場) 超キュートなどさんこさ~ん、ようこそ!オートレースの世界へ! きっと、彼女は業界の救世主になる。アイドルさまになる。スター様になる。 今年1月にデビューした北市唯が一年目のシーズンを終えようとしている。 「父の影響で」と幼小の頃からバイクにまたがった。 「私は頭がよくないんで~。マジでおバカ過ぎるんで~。勉強なんて全然できないんで~」と自己分析して、「そんな時にオートレースを知りました。もう、これだ! と思いました。もしも、試験に落ちてしまったら、頭じゃなくて体力を使う仕事に就こうと思っていました。自衛隊とかです」 彼女の就職希望は、絶妙に叶い、37期生として元気よく選手生活をスタートした。北海道で生まれ育った北市の配属先は浜松となった。 自宅から通勤するには、あまりにも距離があった。北の大地で両親に大切に大事に育てられた子は、この過酷な勝負の世界になじみながら、社会人一年目として見知らぬ土地である、レース場近くで独り暮らしをすることになった。 「全然知らないところなので、友達もいませんし、すごくさみしい毎日でした」としょんぼりする。 親の心配は破裂しそうなぐらいにパンパンに高まったという。仕事は順調か? ご飯はちゃんと食べているか? 元気に過ごしているか?「もう、毎日、毎日、しょっちゅう連絡が来ています(笑)。あまりに来すぎて、もうウザいっすぅ~(笑)」 そんな言葉をそばで聞いていたのは柴田紘志だった。「北市、そりゃあ、家族は心配だって! ありがたいことだぞ!」と苦笑いした後に、この一年の弟子の成長を今度は笑顔で話してくれた。 「北市は頑張り屋です。仕事は一生懸命やっていますし、うん、本当に頑張っていますよね」 その奮闘は、レーサーとして結果にも大きく反映されている。特に秋以降は白星を重ね、デビューイヤーで通算23勝をマークした。 「う~ん、私はバイク経験があるのでそこを何とか生かして同期に負けないようにしたいんですが…。なかなか難しいですね。もっと頑張らないと!」 間もなく、年が変わり2年目のシーズンを迎えることになる。北市は現在地に見合った目標をしっかりと伝えてきた。 「もっと、もっと、大きな目標はあるんですが、今の実力をちゃんと考えて、まずは近い目標から取り組んでいきます。来年は初めての優勝をしたい。A級に上がりたい。A級に上がれば他場のG1にも呼ばれるので、それを目指したいです。同期の森下(輝)とはデビューからずっと似たあっせんで同じ場で走っていましたが、彼は速いのでもうA級になったから、最近はだんだんとあっせんが違ってきました。私もA級になって置いていかれないようにしたいです。今はハンデをもらっていますが、いずれは最重ハンデで戦える選手になりたいです!」 初V、A級昇格、そしていつかは最重ハンデへ。北市の夢はどんどん広がっていく。「あっ、来年デビューする38期生の女子が私と同じグループに来るので、妹分ができます。いやあ~、早すぎですよ(苦笑)。でも、私が師匠やグループのみなさんにすごく良くしてもらったことを、今度は妹分に返すことができるように頑張ります!妹分といっても私の方が年下なんですけれど(笑)」 選手として、社会人としてスタートしたばかりの北市さん。ご覧の通りにルックスは超抜です。将来性も十二分です。根性もあります。グループの先輩に支えられて、北海道産のポテトのようにたくましく育っています。北市さんのご両親の方へ。彼女は大丈夫です。遠方の地で元気よく活動しています。ファンのみなさんへ。どうぞ温かい目で見守ってあげていてください。 (淡路 哲雄)
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