DeNAに続いた!横浜17年ぶり制覇「5番左翼」先発の背番「1」奥村頼人が意地の好救援
<高校野球秋季関東大会:横浜4-3健大高崎>◇4日◇決勝◇サーティーフォー保土ケ谷 プロ野球で日本一に輝いたDeNAに続き、秋季高校野球の関東大会で、横浜(神奈川1位)が17年ぶり4度目の頂点に立った。 今春、センバツVの健大高崎(群馬1位)にリードされる展開も、2度追いつき、8回からマウンドに上がったエース奥村頼人(らいと)投手(2年)が3回無失点と好救援。延長10回タイブレークの末、サヨナラで破った。横浜は明治神宮大会(20日開幕・神宮)に関東地区代表として出場する。 ◇ ◇ ◇ 「神奈川のプライド」に懸けて、負けるわけにはいかない。前夜、横浜に本拠地を置くDeNAの日本一をテレビ観戦した奥村頼は「プロ野球も高校野球も熱いのは神奈川。自分たちも、やらないといけないと思いました」と発奮し、8回からマウンドに上がった。130キロ台後半の真っすぐと変化球で緩急をつけ3イニングを投げ1安打無失点。今秋「最後の1球までスキを見せない」と喜びを表に出さないチームの決めごとも、勝利の瞬間はチームメートとともに喜びを爆発。「やってしまったなぁ」と、苦笑いを浮かべた。 「横浜のエース」の誇りが、奥村頼を奮い立たせた。準決勝、浦和実戦で先発するも2回を投げ1安打1死球で2失点。決勝戦で「5番レフト」の先発を告げられると同時に、村田浩明監督(38)から「背番号1がマウンドじゃないところで輝いていていいのか」とハッパをかけられた。「じゃあダメだ。背番号1番にふさわしくないんだ」。悔しさが込み上げてきた。グラブを持ってグラウンドに出ると、キャッチボールから自主練習。「下半身が使えていなかったので」。体の使い方を確認した。 左翼での先発出場も、マウンドに上がる気持ちはできていた。「何があっても自分がマウンドに上がって最後は抑える、とレフトから見ていました」。初球から全力投球で圧倒。今大会は1年生の織田翔希投手(1年)の好投が続いたが「織田はスピード。自分は緩急で打ち取る。自分の持ち味を出せばいい」と、自分らしく堂々と投げきった。 今秋、チームが掲げた目標がある。第1章・県大会制覇。第2章・関東大会制覇。そして、第3章は神宮大会制覇だ。DeNA筒香を擁した07年秋以来の関東制覇。「神宮大会制覇に向けてしっかりやっていきたい」。横浜の第3章へ。奥村頼が横浜のエースとして勝利の物語を紡いでいく。【保坂淑子】 ▽日本ハム万波(17、18年夏の甲子園出場)「いや、すごいっすね。秋の関東大会は素直にすごい。苦手意識があったんで。やっぱり強い学校だなっていう風に感じましたね」