相場がどこまで下がり、どこから買い戻せばよいかを自分で判断する方法を1つ紹介します。
<図表 S&P500(日足)(再掲)> ※TradingView提供(解説を目的に使用しております)
下値を確定する
それでは、どの時点が「買い」のタイミングとしてふさわしいといえるのでしょうか。 仮に、当記事で取り上げた図表の例でいうならば、それは2024年4月19日以降の反転上昇後、2024年5月2日のタイミングです。S&P500は4月19日以降の反転上昇後、50日単純移動平均線まで値を上げ、その後反落し、5月2日にはローソク足が下ヒゲの長い陽線を伴い、上昇したからです。 S&P500は2024年4月19日に下値をつけましたが、5月1日の下げ後、5月2日の下ヒゲ陽線を伴った上昇により、「4月19日の下値が確定した」と判断します。このような見立てを「下値固め」といいます。 下値固めは、相場に下げ圧力が消えたことを確認するための作業です。このような作業を通して初めて、4月19日の下値が「底」である可能性が非常に高い、と判断します。 つまり、このような下値確定の作業ができない限り、テクニカル分析上は4月19日の値が「底値」かどうか判断することができない、ということになります。
<図表 S&P500(日足)(再掲)> ※TradingView提供(解説を目的に使用しております)
まとめ
テクニカル分析の技術は、投資に興味を持ち、自ら学ぼうとしない限り、おそらく身に付かないでしょう。しかし、「投資初心者でも身に付けたい」という人にとっては、投資を実践する上で非常に強力な武器になるといえます。 投資には、国際情勢やファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)、企業分析、テクニカル分析、需給動向などさまざまな学ぶべき分野がありますが、その1つがテクニカル分析です。 これらは投資をする上で絶対的な方法ではありませんが、このような知識や技術を持っていると、投資がより面白くなるのではないでしょうか。 執筆者:重定賢治 ファイナンシャル・プランナー(CFP)
ファイナンシャルフィールド編集部