【THINK ME】なぜ大勢いた女性パティシエの大半が辞めてしまうのか? 高い離職率の製菓業界「若手の本音」
「出産をしても復帰できる? 」「自分も力をつければここまでいけるかも」
計5つのテーブルに分かれて行われたテーブルセッション。参加者の輪の中に、トークセッションの登壇者が加わります。「出産をしても復帰できる? 」「結局は才能の問題? 」などの率直な疑問や、実際に独立して働いているシェフに対する「そうした働き方に至るにはどうしたらよいのか」といった具体的な質問。いま直面している悩みや将来へのアプローチを探る若いパティシエたちの多様な声が、各テーブルから聞こえます。その話を聞いたオーナーシェフや有識者からは、自分自身の経験や、運営する店での取り組みを開示する言葉が。多くの困難を乗り越えてきたシェフによる過去のエピソードを交えた話には、ただのQ&Aでは感じられない含蓄があふれています。飲食系の職を辞めて別の業界で働いている友だちとの給料の差に悩み、パティシエの道を諦めるか悩んでいた参加者からは、「自分も力をつければ高みにのぼれると実感でき、考え方が変わった」との声も。経験を積んだシェフとの気兼ねない会話を経て、「これまでは怖かったけど、上司とのコミュニケーションを頑張ろうと思う」と、明るく話す人もいました。
対話を、これからも
1回目の開催でありながら、オーナーシェフ18名、若手パティシエ約100名、企業やメディア関係者約30名が集まったシンポジウム。多くの感心や笑顔が見えたセッションを経て、この業界が目指すべき理想は何なのか? その答えのひとつは“対話”にあるように見えました。会場では、参加者に向けてufu.編集長が選んだハーブティー『HERB ARE YOU? 』のお土産も。女性、男性、若手、母親、LGBT…さまざまな境遇のパティシエたちが、幸せにスイーツを作り続けられるように。「THINK ME PROJECT」の取り組みは、まだまだ序章にすぎません。
ウフ。編集部 磯部美月