「まるでサファリパーク」北海道でシカ急増 交通事故5000件超 牧草被害2000万円
北海道でエゾシカが急増し、住宅内などに群れで現れて問題になっています。エゾシカが車や列車と衝突するという事故も相次いでいて、事故件数が過去最多となっています。 【画像】真面目なシカも? 真っ昼間から堂々と敷地に アパートに15頭も出没
■オスジカの角に恐怖も 「突進危ない」
北海道、夜の自動車学校での一コマ。奥にいるのはシカの群れ。職員が近づくと次々とポールを弾き飛ばしていきます。 この映像が撮影されたのは、北海道室蘭市にある自動車学校です。 室蘭中央自動車学園 上林政司次長 「(Q.これを倒したということですか?)ある程度の衝撃を受けたら倒れるようになってます。そう簡単にポンとは取れないんですけどね」 「(Q.たしかに、これは外れなさそうですね)でもいとも簡単に外していきました」 その目的は、教習所内に生えている草。 ほぼ毎日のように現れ、教習中にも侵入。場内のど真ん中にシカが我が物顔で居座ります。 なかには角にネットが絡まってしまっているものも…。 室蘭中央自動車学園 佐々木雄太郎指導員 「やっぱり怖いですよね。でかいので。オスジカなんか角が立派なので、こっちに突進してこようとするものなら危ないなというのはある」
■「苦労して育てたのに」シカ対策費用は10万円
室蘭でシカが現れるのは、自動車学校だけではありません。早朝、住宅街の道路を堂々と歩く大きなオスジカ。真っ昼間から敷地に入っていく群れもいました。 スタッフが取材している時にも、住宅街に2メートルほどの大きなシカがアパートの敷地に入って草を食べていました。 近隣住民男性 「ここ2、3年ぐらい前から(増え始めた)」 「ここ最近がひどいね。“シカのサファリパーク”」 「車で走ってたら(シカが)いたので。こんな感じの。軒下で涼んでいる感じですね。動物園か、みたいな感じ」 他の室蘭市の住宅街で撮影された映像には、15頭ものシカがアパートの敷地で草を食べている姿が映っていました。 この動画を撮影した夫婦はこのように話します。 妻 松原喜代さん 「ここから(撮影した)」 夫 松原正明さん 「ここから見て真下にも(シカが)見えるような感じでしたね」 喜代さん 「『おーい』とか言ってみたりしました。チラッと一瞬だけこっちを見て、また草を食べ始めてって感じです。一番長くて4~5時間ぐらいずっといましたね」 正明さん 「草食べてちょっと日陰で休んでって感じで」 住宅街に相次いで出没するシカの群れ。こちらの住宅ではシカ対策にネットを張っていましたが…。 近隣住民 「ネットが外れて、シシトウもやられたし、ピーマンもやられたし、ナスもやられた。バクバクバクバクーッて(食べて)。ここを丸坊主にしていく感じ」 ネットなどシカ対策にかかった費用は、およそ10万円だといいます。 近隣住民 「食べられたら腹が立つ。お金よりも苦労して育てたのに…」