「まるでサファリパーク」北海道でシカ急増 交通事故5000件超 牧草被害2000万円
■横断歩道を確認 “真面目なシカ”も?
シカが増えているのは室蘭だけではありません。北海道全域で増え続けるシカは昨年度だけで1万頭増加し、およそ73万頭に。 さらに10月~11月は繁殖期にあたり、オスジカの気が荒くなるため攻撃的でとても危険になります。 特に深刻なのが、車との衝突事故。こちらの車は衝突でフロントが大破し、修理不能に。北海道ではこうしたシカによる交通事故が年々増加。去年は過去最多の5000件以上に。 こうしたなか、厚岸町では珍しい光景が見られました。2頭のシカが横断歩道を行儀よく渡っていきます。 さらに右側からもう1頭。右奥の車が止まっているのをしっかりと確認してから、横断歩道を渡ります。 こんな“真面目なシカ”もいる一方で、列車との衝突件数も過去最多の3000件以上に上っています。
■牧草を食い荒らし…「2000万円以上の余分な出費」
シカによる被害は事故だけではありません。牧場の柵を軽々と飛び越えていくシカたち。牧場内を駆け回る野生のシカの大群です。 南富良野町の公共串内牧場では、牛の牧草がシカに食べられる「食害」が問題になっています。シカの大群は牧場のいたる所に見られます。 ふらの哺育育成センター 及川栄樹社長 「トータルすると(シカは)2000~3000頭」 この牧場では1500頭の牛を育てていて、1日でおよそ25トンもの牧草が必要ですが、およそ3000頭もの野生のシカが牛の餌(えさ)となる牧草を食い荒らしているのです。 及川社長 「ああやって私たちが育てている牧草を食べてしまうんですよ」 ほとんどの牧草がシカに食べられ、牧草で満杯になるはずだった保存場所は半分がスカスカの状態になりました。 及川社長 「牧草はそこら辺に生えている草だと思うかもしれませんが、僕らは畑を耕して、肥料をまいて、種をまいて、お金をかけて牧草を栽培しています。不足分を補うためによそから牧草を買って食べさせている。おそらく2000万円以上の余分な出費をしなければならない」 シカによる被害を防ぐため牧場内では去年から駆除を開始。しかし、地元のハンターは「抜本的な解決にはならない」といいます。 猟友会 南富良野部 副部会長 糠谷雄次さん 「シカが多すぎて(駆除が)追いついてない」 猟友会 南富良野部 部会長 清水一文さん 「毎年(シカが)生まれるから。何百頭、何千頭いるかもしれないから、なかなか駆除はできないですね」 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年11月8日放送分より)
テレビ朝日