〔東京外為〕ドル、154円台後半=調整的な買いで上昇(20日午前9時)
20日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、朝方に持ち高調整の買いがやや優勢となり、1ドル=154円台後半に上昇している。午前9時現在、154円71~74銭と前日(午後5時、154円53~53銭)比18銭のドル高・円安。 前日の海外市場では、ウクライナ情勢の緊迫化からリスク回避に傾き、欧州時間に一時153円30銭前後に急落。いったん持ち直したが、米国時間の序盤に再び153円40銭前後に押し戻された。その後はリスク回避の動きが一巡し、終盤には154円70銭台に浮上。東京早朝は154円50銭台で推移した後に買い戻されている。 ロシアのプーチン大統領は19日、兵器の使用条件を示した核ドクトリンを改定し、大統領令に署名した。核攻撃の対象をウクライナを軍事支援する欧米にも拡大すると示唆した。これを受けてリスク回避に傾斜したが、米国時間にはロシアのラブロフ外相が「核戦争の勃発を回避するためあらゆる手段を講じる」と述べたと伝わり、リスク回避は一巡。ドル円はリスク回避前の水準に戻した。 東京時間は、前日の海外時間の値動きが「おおむね下にいってこい」(FX業者)とななるなど、方向感を欠いたことから「目先も上下に動きにくい」(同)とみられる。ウクライナ情勢が再び緊迫化する懸念はあるため、「上値は追いにくい」(大手邦銀)ものの、「積極的に売る材料も見当たらない」(同)ことから、目先は現行水準を中心にもみ合うことになりそうだ。 ユーロは対円、対ドルで上昇。午前9時現在、1ユーロ=164円10~14銭(前日午後5時、163円44~45銭)、対ドルでは1.0607~0607ドル(同1.0576~0577ドル)。