【岡田彰布コラム】『勝負はここから』という気持ちがチームに存在している。選手たちが輝かせる時を迎えた。勝てるベンチワークで挑むよ
野球はホンマ恐ろしいもんよ
勝負の9月に入り、打線の調子が確実に上がってきた。ここからチームみんながそれぞれの役割をこなしていけば、十分に優勝争いはできるよ
【岡田彰布のそらそうよ】 勝負の9月に入った。開幕から打線がなかなか機能しない中で、リーグ3位という位置で決戦の月に突入。その途端に打線が活発になり5連勝。首位との差を縮めてきた。ここからが指揮官の腕の見せどころ。勝ち切れなかった2008年のリベンジを果たし、果敢に連覇を狙うつもりだ。 写真=BBM 1カ月ぶりの「そらそうよ」です。ホンマにアッという間に時は流れていく。そんな感じで、勝負の9月を戦っています。あらためて、阪神タイガース監督の岡田彰布です。 連覇を目指して臨んだ2024年シーズンだが、今、スポーツ新聞の見出しを見比べれば、ネガティブなフレーズばかりが並ぶ。「絶望的」とか「崖っぷち」とか。確かに苦しい状況にある。これは否定しないけど、そこまでのギリギリ感でいるわけではない。あるのは「まだまだ分からない」といった前向きな思考。チームとして、この気持ちが崩れることはない。 野球は恐ろしい……。最後の最後まで何が起きるか分からない。それをいろいろと経験してきた。その最たるシーズンが2008年やった。もう16年も前のことになるけど、オレの頭の中に、やっぱりこびりついているわ。阪神ファンならご存じのとおり、球史に残る「V逸」とされた年やった。あのシーズン、オレは阪神監督として5シーズン目。もちろん優勝する自信があったし、そのとおりに事は進んでいた。 ぶっちぎりで終盤を迎えていた。2位にいた巨人とは最大13ゲーム差をつけていた。そら、誰もが優勝すると思うよね。オレ? 言葉にはしなかったけど、まあ、間違いなく優勝できる、と確信してたわ。 それが、まさかの展開に移っていく。阪神は普通のペースで戦っていた。ガクンと勝率が落ちたわけではない。5割のペースで進んでいたのに・・
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週刊ベースボール