レインボーシックス シージ世界大会は、eスポーツを価値あるビジネスへと昇華したのか
「これはeスポーツのトップクラスじゃないか」
ブランドのマーケティング予算が、「レインボーシックス」のみならずあらゆるeスポーツシーンの活力の源になるなか、ブランド各社はブラストとユービーアイソフトの親密なコラボレーションと、eスポーツ全体に与えているプラスの影響に注目している。 置き換えダイエットや栄養補助スナックのブランドCTRLのプレジデント、アレックス・マティセー氏はeスポーツに造詣が深いが、2023年11月に米国アトランタ開催された世界大会レインボーシックス メジャー・アトランタ(R6 Major Atlanta)に参加したときには、ファンの熱量に度肝を抜かれた。 「2023年末にアトランタ世界大会の視聴者数を見て、どれだけの人がストリーミング配信を実際に視聴していたのかを知ったのだが、まさに『えっ! これはeスポーツのトップクラスじゃないか!』という反応だった」とマティセー氏は話した。 CTRLの場合、「レインボーシックス」の後援はブラストを介して交渉が進んだが、ブラストと提携するとすぐに、ブラストだけでなくユービーアイソフトともビジネスの関係を構築することができた。これは、eスポーツ「レインボーシックス」ではさまざまな関係者同士で緊密なコラボレーションを進めている状況を如実に伝えている。 「わが社がブラストと交渉を始めたのは、アトランタで大会が開催されたからに過ぎない。交渉は大会中からもっと包括的な提携の話には移っていった」とマティセー氏。「ユービーアイソフトの一部のスタッフに、大会のスタッフ、それにブラストのスタッフも一緒にランチに行く機会があり、彼らはうちのブランドの大ファンだと話し、うちのスタッフも、彼らが開催する大会の大ファンだと大いに盛り上がった」。
可能性はある? ない?
パブリッシャー/サードパーティのモデルを取り入れることで、ユービーアイソフトは新たなエコシステムを生み出した。 これは、パブリッシャーであるユービーアイソフト、プレイヤー、チーム、ブラスト、あらゆる関係者にとって十分満足のいくエコシステムである(ブラストにしてみれば、ユービーアイソフトのようなパブリッシャーとパートナシップを結んだおかげで、2023年、はじめて利益を計上した)。eスポーツ業界は、全体をみると、持続可能な事業とはまだまだ言えないが、業界内の各社が「このやり方なら効果があるかもしれない」と思えるような青写真を示すことはできた。 「ほかのパブリッシャーやディベロッパーのように、ユービーアイソフトもeスポーツを自社だけでやろうとしているわけではない」とアナリストのスミス氏は解説する。 「そこで登場するのが、パートナーのブラストだ。自社のゲームがeスポーツとして使われることで生じる日々のいざこざを、ブラストが一手に引き受けてくれる──とはいえ、実のところ、ゲームを続けられるのはeスポーツだからこそ、でもある」。 [原文:How Ubisoft’s measured approach to esports paid off at Six Invitational 2024] Alexander Lee(翻訳:SI Japan、編集:分島翔平)
編集部