「あっ、はい、なんとか…」「えーっと…」無口で引っ込み思案な部下を伸ばす上司が、会話中に“意図的に行っていること”
部下の語りが最優先
もし、あなたが「部下に語らせようとしてないなぁ……」と感じた場合は、いま一度「語ってもらう」を意識して1on1を見直してください。結論をいいますと、部下が話せば話すほど部下育成につながります。同時に、上司が話せば話すほど部下の成長にはつながりません。この点を強くお伝えしたいです。 ポイントは、部下に「話させよう、語らせよう」とする意識と工夫です。部下が語りはじめるのを待ち、傾聴する。これは慣れるまで、上司にとっては高いハードルです。最初は忍耐と場数しかありません。上司側が話す場面をできるだけ少なくするためにも、我慢すべきところは我慢しましょう。そのひとつが沈黙です。忍耐と場数は継続することでしか解決しません。ここはしっかり受け止めましょう。 上司側は我慢することも、いずれ慣れます。なぜなら、上司は部下の人数分1on1を実践し経験するからです。その分、上達もはやくなります。回数を重ねるほどうまくなるものです。安心して継続してください。 上司がかかる2大疾患 上司が陥る2大疾患があります。沈黙の対極にある上司の疾患です。それは「アドバイス病」と「説明病」です。心当たりはありませんか? 2つの疾患は傾聴の大敵。なぜなら、上司が話してしまっているからです。ということは、部下が話を聞く側にまわっていますよね。注意しましょう。 なお、営業部門ではびこる「数字詰め病」にも注意が必要です。あなた自身がこれらの疾患にかかっていないか、自己点検しましょう。チェック式簡易判定表でもある程度把握することも可能です。 小川 隆弘、 キャリアコンサルタント、コーチ、研修講師 ※本記事は『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。