小5からゲーム依存になった息子 どうやって脱却したのか? 親が語る葛藤の日々
スマホやゲームにはまり、勉強から遠ざかる小中高生が増えています。わが子がそうなった場合、親は子どもとどう向き合えばいいのでしょうか。ゲームにはまった生活を5年かけて抜け出した高校1年男子の保護者(兵庫県川西市在住)に、葛藤の日々を振り返ってもらいました。 【写真】休み後の不登校、心療内科医が語る意外な原因とは?
――名門と言われる国立大付属小学校に通っていた息子さんがゲームにはまったのは、いつごろからですか。 小学5年の夏休みが終わるころです。付属中学への内部進学はなかなかハードルが高く、そのプレッシャーからか、明るくて前向きな性格だった息子が、自宅の部屋にこもって戦闘系のオンラインゲームばかりするようになりました。見かねた私がゲームの電源を切ったり、「勉強はどうするの」とガミガミ言ったりすると、次第に私たち親を避けて昼夜逆転の生活になりました。朝起きられなくなり、やがて学校にも行けなくなりました。 ――進学のプレッシャーから逃げるために、ゲームにのめり込んでいったのでしょうか。 そうだと思います。プレッシャーから逃げた先がゲームだったので、ゲームを取り上げれば解決すると思いましたが、そうではありませんでした。当時の私はそれなりに教育熱心でしたから、息子からゲームを取り上げたり、「みんなと一緒に進学したいならゲームをやめなさい」「進学したい子は、ゲームなんてしてないよ」などと脅すような言葉を浴びせたりしていました。夫も、勉強もせずにゲームばかりする息子の気持ちがわからず、文句を言うばかり。だれに相談していいのか、どんな選択肢があるのかといった情報もなく、出口のないトンネルに入ったような感覚でした。 ――息子さん自身は、自分のゲーム依存を自覚していましたか。 自覚していたと思います。ただ、ゲームをしているときは、けっして楽しそうではありませんでした。今思うと、ゲーム以外に気持ちを紛らわせるものがなかったのかもしれません。満たされない毎日のなかで、指一本で自分の思い通りにコントロールできるゲームこそ、達成感を得られるものだったのでしょう。私たち夫婦は、そんなゲームこそ「悪」だと思い込んでいたので、親子関係はこじれる一方でした。