共に3連覇を果たした女房役、カープ・石原慶幸コーチが語る野村祐輔
◆「ナイスボール、ナイスピッチング」という言葉を贈りたい 25年ぶりの優勝を果たした2016年、祐輔は16勝で最多勝を獲得して、一緒に最優秀バッテリー賞を受賞することができました。僕にとっては三度目の受賞でした。マエケン(前田健太・現タイガース)と二度受賞したことは当然うれしかったのですが、その時はどちらかと言えば、『取らせてもらった』という気持ちが強くあり、僕はおまけ、という気持ちが少しありました。ですが、2016年の最優秀バッテリー賞は『祐輔と2人で頑張って受賞できた』という、違う喜びがありましたね。 3連覇を達成していた時期、チームは祐輔を筆頭に1989年世代がチームの中心でした。みんな自分から出てくるようなタイプでしたが、祐輔の場合はそこまで発言するわけではありませんでした。だんだんと話しているうちに『今のは本音っぽいな』とかそういうのを感じるようになっていました。良い意味でつかみどころがない感じというか……(笑)。 現役時代、佐々岡真司さん、黒田博樹さん、マエケンとエースと呼ばれる投手を受けさせていただきました。祐輔からは、責任感の強さというものを感じていました。言葉というよりも、マウンドでの姿であったり、背中で後輩に伝える。そういう雰囲気を感じていました。またデビューから全試合先発という日本記録を持っていますが、本当にすごい事です。歴代監督の起用法や、運もあるでしょう。先発のまま終われるというのは、彼の努力の賜物だと思います。 13年間、ずっと先発として投げ続けて、どの選手もそうだとは思いますけど、本当に大変だったと思います。まずはゆっくり体を休めて、気分的にリラックスしてほしいですね。どういう道に進もうが、ずっと応援しています。そして、『ナイスボール。ナイスピッチング』という言葉を送ってあげたいです。本当にお疲れ様でした。
広島アスリートマガジン編集部