金が高騰「2000年頃買っておけば13倍」との声も… 世界にプール5杯分しか存在しないという金の歴史と高騰理由【MBSニュース解説】
金が歴史的な高値になっています。どうしてそんなに高いのか…専門家に聞きました、そして知られざる金の世界も紹介します。 2000年頃は1グラム1000円、そのとき買っていれば今は13倍です(13日は1グラム1万3090円(税込み))。では、これだけどんどん上がっている理由は何なのでしょうか。
金が高騰している理由
まずは、中国やインドなどいわゆる新興国で、過去そこまでお金に余裕がなかった人たちがどんどん金を買っているというのが理由です。人口14億人いるような国の人たちがみんな買い始めたら、金が足りなくなる、どんどん価格が上がっているというわけです。 もう一つの理由は、規模が大きい各国の中央銀行が買い始めているということです。なぜ各国が金を買う必要があるのか、それを簡単に言うと、「アメリカドルの信用が下がってしまった」という理由です。
アメリカドルの信用の低下 中央銀行が「ドルから金へ」
基軸通貨と言われるくらいドルは信用されていましたが、2つの理由で雲行きが怪しくなりました。ひとつはリーマン・ショック、このときアメリカの景気が悪くなったので、ドルをたくさん刷ったことにより、信用が失われてしまいました。 そしてもう一つが、ウクライナ侵攻のときのロシアに対する経済制裁です。経済制裁によって、ロシアが持っているアメリカのドルはすべて使えなくしてしまった、これによってアメリカとの国際関係がよくない国は、今まで一番信用できると思ってドルを持っていたのに、アメリカのドルが突然使えなくなるかもしれないと考えたわけです。 そこでアメリカドルではなく、金を所有するようになったのが大きな理由です。それに加えて、今は国際情勢がとても不安定になっているので、中央銀行も個人も、ドルから金へという流れになっています。ここまでが金の値段が上がっている主な理由とされています。
世界にある金は、わずかプール5杯分!?
世界中にある金は、オリンピックプールの大きさで計5杯分しかないと言われます。現在4杯分が発掘されていて、残りの1杯分は埋蔵されているということです。 これをどうやって探しているのでしょうか。金鉱脈は、昔は「山師」と言われる人たちが経験と勘で探していました。 現在は、人工衛星で宇宙からセンサーを出して見つけているが、大体の場所を見つけたら地表の調査も必要になります。 日本には、鹿児島県に菱刈鉱山という場所があり、現在、最先端の機械を使って毎年7トンの金の発掘を行っています。さきほど残りはプール1杯分と言いましたが、それ以外にもシベリアの永久凍土の中や海にあることはわかっていますが、これは採算がとれないことから、その量は数として入っていないということです。