「自公過半数割れ」になったときに、石破首相が“政権維持のため”繰り出す「意外すぎる一手」3つの想定シナリオ
自民党は単独過半数を獲得できるか…メディアによって差
主要メディアによる序盤情勢分析によれば、自民党が議席減となる傾向は同じであるものの、例えば日経新聞は「自民党は定数465の衆院の過半数にあたる233議席に届かない可能性がある」、JNNは「自民党は議席をおよそ30減らし、2009年以来、15年ぶりに衆議院で単独過半数を割り込む可能性がある」と報じている。 公明党と合わせた与党での過半数確保の見通しは、ほぼ共通しているのだが接戦区の結果次第で自民党が単独過半数を獲得できるかどうかについてはメディアによって差がみられる。毎日新聞が10月17日付の1面に掲載した「推定当選者数」を見ると、自民党は「203~250議席」で逆風下にあるとはいえ、自民党が単独過半数を確保する可能性も残っているようだ。 もしも自民党が単独過半数を維持した場合はどうなるのか。それは言うまでもなく、いよいよ「石破カラー」を発揮していくことだろう。首相就任後、憲法改正や地方創生、経済政策などで封印していた持論を誰に遠慮することなく推し進めるはずだ。 高市氏を「旗頭」とする反石破グループは主張すべきはするものの、「石破おろし」の迫力は欠くことになる。時事通信が10月11~14日に実施した世論調査によれば、石破内閣発足後初の支持率は28.0%となり、発足時としては2000年以降の歴代内閣で最低を更新したが、もともと国民的人気が高かった石破氏が持論封印を撤回してカラーを発揮すれば支持率は一気に上昇する可能性はあるだろう。 世論を背景に反石破グループの動きを牽制しつつ、共闘が進まない野党との対決を鮮明にしていけば長期政権も視野に入る。首相の座を維持できれば、次期総裁選までに党内基盤を強化することに成功するはずだ。来年夏の参院選と東京都議選を無難に乗り越えれば、当面は安定した政権運営となる。 ただ、強い石破政権が構築されれば、ぶつかる壁は「外交・安全保障」となる。石破氏は「アジア版NATO」「日米地位協定の見直し」などの持論を封印してきた。いずれも相手国があるもので、日本のトップが進めるといっても一方的に進められるものではない。だが、首相が任期中に“公約”を果たせなければ、米軍普天間飛行場の移設問題で「最低でも県外」などとうたった民主党政権時代の鳩山由紀夫首相と同じではないかと批判されるのは必至だ。