国産最高峰の復刻。グランドセイコーが高精度の腕時計を現代流にアレンジ
最近は銀座あたりの時計バイヤーさんにお話を伺うと、顧客の7割くらいをインバウンドのお客さんが占めているといいます。人気があるのは予想通りロレックスですが、それに迫る勢いで需要が高いのがグランドセイコー。特に中国などアジア圏からの顧客に人気が高いとのこと。 【全画像をみる】国産最高峰の復刻。グランドセイコーが高精度の腕時計を現代流にアレンジ シンプルな飽きの来ないデザインで使いやすく、サイズ感もアジア圏の人にマッチしますからね。日本製の実用時計ってことで、安心感も高いようです。
手巻きハイビートの傑作
そのグランドセイコー(以下GS)が、10振動手巻きメカニカルモデル「45GS」の復刻デザイン限定モデルをリリースします。45GSは1968年に商品化されたGS初のハイビート機で、日本の時計史においても重要なモデルなのです。 GSは1960年に「スイスの最高級モデルへの挑戦」として誕生しました。その後ブラッシュアップを重ね、1968年に国産初の自動巻きハイビート(10振動)、続いて手巻きハイビートの開発に成功しました。 ハイビートとは、時計ムーヴメントの中に入っているテンプという調速パーツが高速で振動するモデルです。10振動とは1秒に10回(1時間に3万6000回)振動するということで、ロービートの機械と比べると精度が出しやすくなります。 一方でエネルギー消費が早いので、トルクの効率を高める必要があります。機械も消耗しやすいので、肉厚で耐久性の高いパーツを使わなくてはなりません。45GSに積まれていた「4520」という機械は、当時のセイコーが技術力を結集させて完成させた名機です。 今回搭載されている機械は、昨年発表された手巻き10振動「9SA4」。ハイビートなのにツインバレルを採用することで、最大80時間というパワーリザーブを実現。動力効率をアップさせた実用性ももちろんですが、パーツの面取り、GSの工房がある岩手の雫石川を表現したストライプ模様など、その仕上げは非常に美しいですね。ゼンマイの逆回転を防ぐ「こはぜ」が、雫石の敷地内にも訪れる鳥「セキレイ」みたいなフォルムなのもかわいいです。