2024年の年間ベストアルバムTOP100
◎3位→1位
3位 MJ Lenderman『Manning Fireworks』 ここ数年、ノースカロライナ州アッシュビル出身のシンガーソングライター、MJレンダーマンはインディーロックファンの間で人気急上昇中だ。『Manning Fireworks』では、自身の作曲スタイルのカントリーサイドに傾倒し、彼の歌声には裏庭のポーチでくつろぐような切なさが感じられる。 彼の曲には、不幸で傷ついた男性がほとんどの曲に登場し、素朴な皮肉と滑稽な共感をもって彼らの物語を語る。レンダーマンは、ニール・ヤングやポール・ウェスターバーグといった偉大なロックスターたちが築き上げた哀愁漂うロックの伝統を、独自のスタイルに昇華させている。―J.D. 2位 Beyoncé『COWBOY CARTER』 『COWBOY CARTER』は、綿密な調査と入念な構成が施された大学論文のようなアルバムだ。壮大なオープニング曲「Ameriican Requiem」は、ゴスペル、クイーン、バッファロー・スプリングフィールドの要素が混在しており、ビヨンセは自身の意図と系譜を明らかにしている。彼女は音楽界全体に対して何かを証明しようとしているが、それは厳密にはホンキートンクの陽気さというよりも、むしろ南部のルーツに対するラブレターである。ビヨンセの主張は、「Amen」に到達するまでに明確に示されている。彼女が鳴らしているのはカントリーであり、彼女はいつだってカントリーだった。ゲートキーパーが何と言おうと、その事実は疑いようがない。彼女は曲ごとに主張を展開している。―B. Spanos 1位 Charli XCX『BRAT』 もはや「ブラット・サマー」というより「ブラット・イヤー」だった。「Fancy」「I Love It」「Boom Clap」に続く10年間で、チャーリーxcxはカルト的人気を誇るポップスターの女王であり続けるように思われた。しかし、彼女は6作目のアルバムで、チャーリーらしさのピークに達しながら、これまで以上にハードに過ごしている。そして幸いにも、世界はようやく彼女をフラッシュライトの下で迎える準備ができた。ダンスフロアでくるくると回っている間、彼女は頭の中で螺旋を描きながら、二日酔いの朝に残る不安や恐怖を深く掘り下げている。彼女は、自分がメインストリームでの成功に値するのか、母親になる準備ができているのかを率直に問いかけているが、心配はいらない。彼女のクラブクラシックのように、ここには“速い車”や脈打つビートがたくさんある。『BRAT』には、土星回帰後のハイパーポップ・ジェットコースターのような曲だけでなく、30代前半の不安や、イット・ガールの虚勢を張った曲も収められている。また、ボーナストラックやリミックス・アルバムでオリジナルバージョンを覆すなど、今も進化し続けているプロジェクトでもある。誰もがアフターパーティーについて尋ねているなか、このクラブ・クイーンは、パーティーはまだ終わっていないと明確に誇示している。―B. Spanos
Rolling Stone