藤原竜也『全領域異常解決室』ラスト1分にぶっ込まれた “2つのナゾ” で続編への期待値が爆上がり【ネタバレあり】
こんなぶっ飛んだ「トンデモドラマ」は久しぶり。 だが、とんでもない物語だったものの、それは「つまらない」という意味ではなく、むしろ逆で、良質かつ極上のドラマだった。 最後までみたい10月新ドラマ『全領域異常解決室』は何位? 12月18日(水)に最終話(第10話)が放送された藤原竜也主演『全領域異常解決室』(フジテレビ系)のことだ。 ■【ネタバレあり】謎の神・ヒルコの正体は? 内閣官房直轄の機関「全領域異常解決室」、通称「全決(ゼンケツ)」は、大和朝廷時代からある世界最古の捜査機関。神、妖怪、UMA(ユーマ)など、非現実的な存在の関与が疑われる怪奇事件の捜査をする組織である。 「全決」メンバーである主人公・興玉雅(藤原竜也)と雨野小夢(広瀬アリス)がバディを組み、常識では計り知れない不可解な事件を解決していくストーリー……だったのは前半まで。 なんと中盤で、興玉は悪意と善意を見定める能力を持つ神「興玉神」(おきたまのかみ)、雨野は縁結びの能力を持つ神「天宇受売命」(あめのうずめのみこと)など、実は「全決」メンバーは全員、神様だったということが明かされる。 そして物語後半からは「全決」率いる八百万の神たちと、社会を不安に陥れる怪奇事件を巻き起こしてきた謎の神・ヒルコ軍団との全面戦争が描かれたのだ。 ――最終話。ヒルコは神ではなく、飛鳥時代に特殊な能力を獲得し、現代まで生き続けている人間だったことが明らかになり、第1話から登場していたある人物がヒルコの正体だったことが発覚。 何度も危機的状況に陥ったが、最後は興玉と雨野の悠久の絆により形勢逆転し、ヒルコを制圧。ヒルコ事件が無事に一件落着となった。 エピローグで「全決」メンバーが全員集合し、和やかな雰囲気でピザやビールを囲んで勝利を祝う。しかし、神の能力を失い、普通の人間になってしまった雨野は、記憶を消されることになった。 ■広瀬アリスと成海璃子の意味深すぎるシーン そして迎えたラスト1分。唐突に2つのナゾがぶっ込まれた。 街中の雑踏ですれ違う興玉と雨野。「全決」での記憶をなくしているはずの雨野だが、興玉とすれ違ったあとに神の能力で使用する鈴を取り出し、その音色を響かせ、微笑んだのである。鈴の音はおそらく興玉にも聴こえている。 もしや、雨野はすべて覚えているのではないかと思わせる演出。 雨野の記憶を消すことを担ったのは興玉だった。記憶消去には相手の頭に5本の指を乗せる必要があるようだが、興玉がこっそり雨野の頭から人差し指だけ離している描写があったため、彼女は記憶を失っていない可能性が濃厚になったわけだ。 その後、迎えた最終カット。 ヒルコに身体を乗っ取られていた際に銃撃され、病院に入院していた警視庁の刑事・二宮のの子(成海璃子)が、病室のベッドから姿を消しているシーンが挿入された。 人一倍正義感が強く、超常現象やオカルトに対して否定的なスタンスだった二宮だが、終盤ではヒルコを信奉し、人類や神々を憎むような狂信的な発言をしていた。そんな彼女が寝ているはずの病室がもぬけの殻となっている不穏な描写で終幕したのだ。 実は、本物のヒルコは倒せておらず、二宮はまた操られたとか、今度は二宮がなんらかの超常的な力を手に入れ第2のヒルコになってしまうとか、そういった想像の余地を残したのである。 神の力が少し残っていたのではないかと思わせる演出もあった雨野は、記憶消去されていない可能性が濃厚だし、熱狂的なヒルコ信者と化していた二宮がなにかよからぬことを巻き起こしそうな予感もあり、続編への期待値が爆上がりするラスト1分だった。 いずれにしても久々にドハマりした「トンデモドラマ」で、筆者としてはぶっちぎりで今期No.1の作品だったのは間違いない。 ●堺屋大地 恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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