2024年の年間ベストアルバムTOP100
◎6位→4位
6位 Tyla『TYLA』 南アフリカのアマピアノがかつてないほどグローバル化しようとしているこのタイミングで、ヨハネスブルグ出身の22歳、タイラの待望のデビュー作が発表された。 彼女のグローバルヒット「Water」は疑いようのないものだったが、さらに魅力的なのは、デザイナーズホテルのハッピーアワーというよりも、アフターアワーを感じさせる楽曲群だ。「Truth or Dare」では、ログドラムのビートが前面に押し出され、重なり合うボーカルコーラスが離陸を達成している。「No. 1」も同様で、タイラがアフロビーツの女王Temsと組んだ曲だ。アマピアノはこれ以上ないほど有力な大使を得た。―Will Hermes 5位 Billie Eilish『HIT ME HARD AND SOFT』 「私がどれほど孤独だったか、知りたくないでしょう」とビリー・アイリッシュは『HIT ME HARD AND SOFT』の作中で歌う。彼女の3作目は、成長のアルバムであると同時に、カミングアウトのアルバムでもある。感情的にも音楽的にも目まぐるしく変化する曲が次々と続く。彼女はうつ、孤独、そして不幸から、エレクトロ・ゴスの露骨な欲望に満ちた「Lunch」へと移り変わり、「憧れであり、片思いではない」ミューズを賛美する。『HIT ME HARD AND SOFT』を通じて、彼女のポップアーティストとしての成長ぶりに驚かされるし、それは「最高のビリーはこれからだ」という吉兆でもある。―R.S. 4位 Sabrina Carpenter『Short n’ Sweet』 「Espresso」と「Please Please Please」によって、サブリナ・カーペンターは2024年の夏を象徴するサマーソングの有力候補を2曲も獲得した。そんな彼女の素晴らしい上昇気流は、ロマンティックな失恋ソングを陽気で輝かしいポップに塗り替える才能を誇示した、彼女の戴冠アルバムともいえる『Short n’ Sweet』で頂点に達した。カーペンターの“全然何も気にならない(give-a-fucks aren’t just on vacation)”は昏睡状態にある。これらの曲は、往々にして卑猥で、常にファニーで、しばしば意地悪だが、彼女は自分自身を他の人々とともに茶化している。本人が認めているように、“私はシットショーを永遠のように見せることができる”のだ。 ―R.S.