延滞税4万9678円で国税庁が「差し押さえ」? どんどん騙されやすくなる詐欺メール、夏に気をつけたい内容・対応策を聞いた
以前3度あった詐欺メール、今回は本物にそっくり!
「今年の頭、確定申告を始めた頃から、何通か同じような内容のメールが来ていたんです」と、あの佐々岡さん。今年1月からテキストメッセージで3通ほど届き、アドレスや文面はバラバラ。記載の延滞税が同じような金額で少しずつ上がっていたことが、支払わないでいるせいに思え、気にはなったもののテキストのみだったため無視していたそうです。 しかし、今回のメールはHTML形式で、申告や受理確認で利用していた「e-Tax」からの画像付きのメールと酷似。それに加え、今年(昨年度の確定申告)からインボイス制度の課税事業者となり、去年までと会計処理が異なったことによる不安もありました。 「個人事業主でもあるので、所得税と書いてあるのが消費税って見えたんですよね。『もしかして払ってないのがあるかもしれない』と。単体であれば騙されないですけど、『マジかな』と思ってしまったんです」。 ついに無視するのも恐くなり、市の税務署に問い合わせたところ詐欺であることを告げられます。文章のおかしさや、支払い方法がPayPayに気づいたのはその後でした。 「申告して税金が確定するのは6月ですよね。中途半端な知識があって信じちゃったというところがありました。もし手元にお金があったら払っていたかもしれません」 自分と同じように似た内容のメールが複数届くなどの偶然が重なり、騙されてしまう人もいるかもしれないと、注意喚起を決意したと言います。 あの佐々岡さんは漫画家・イラストレーターとして活動しています。
国税庁も注意喚起、不審なメールの見分け方は
国税庁は公式サイトで「不審なメールや電話にご注意ください」と注意喚起しています。「国税庁(国税局、税務署を含みます)では、ショートメッセージにURLを記載した案内を送信することはありません。国税の納付を求める旨や、差押えに関するショートメッセージやメールを送信することはありません」とし、「アクセスや支払いなどしないようご注意ください」などと呼びかけています。 また、「e-Tax」からのメールについても、「原則としてメール本文内にURLを記載していません」、送信元表記はすべて「e-Tax(国税電子申告・納税システム)‹info@e-tax.nta.go.jp›」であると、不審なメールとの違いを説明しています。 さて、あの佐々岡さんが遭遇した国税庁を装ったメールとはどんな詐欺に当たるのでしょうか。警察庁に確認したところ、フィッシングに分類される詐欺とのこと。そこで、フィッシングの実態について、警察庁と、警察と情報交換などで協力するフィッシング対策協議会の吉岡さんに話を聞きました。