【日本株週間展望】上値を試す、米大統領選後の政策期待買いが継続
(ブルームバーグ): 11月2週(11-15日)の日本株は上値を試す値動きになる見込み。相場を揺るがす米国大統領選挙や連邦公開市場委員会(FOMC)といったイベントを通過し、先行きの不透明感は薄らぐ。国内主要企業の決算次第では買いの勢いが増しそうだ。
11月1週は共和党候補のトランプ氏が米大統領に返り咲くことが決まり、東証株価指数(TOPIX)は週間で3.7%高と続伸した。同氏が掲げる経済政策を期待した「トランプトレード」が進んでいる。
トランプ氏勝利後の米金利がさらに上昇すれば、外国為替相場の円安が進み、日本株の追い風になる。米国では13日に消費者物価指数(CPI)、14日に生産者物価指数(PPI)と10月の物価指標の発表がある。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が14日に行うダラスの講演では、トランプ次期政権下での物価見通しに言及するかが注目点になる。
開示の相次ぐ企業業績は引き続き関心を集めやすい。銀行株は年初から日本株の上昇を支えてきただけに、3メガバンクの決算発表が株式相場全体の上昇に拍車をかける可能性がある。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループはそれぞれ14日に業績を開示する。株価指数への寄与度が大きいソフトバンクグループや東京エレクトロンも12日に決算を発表する。
《市場関係者の見方》
インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト
米大統領選は下院を除いて結果が出そろい、相場は上向きそうだ。株式市場は現状を見極めて取引する環境に変わり、手控えていた投資家層の待機資金が入りつつある。利上げ観測が高まる中で決算発表もある銀行株は時価総額のウエートが高いこともあり、相場へ影響がありそうだ。
SBI証券の鈴木英之投資情報部長
日米のイベント通過で、米国株高に伴って日本株も戻りを試す相場が続くだろう。個別企業の決算発表ではソフトバンクGや東京エレクなどの影響を受けそうだ。米国では物価指標の発表があるものの、トランプ氏が大統領に就任するまでは相場への影響は限定的になりそうだ。