高成長が期待されるEV産業が揺籃、割安なインドネシア株式に投資機会
さらに、インドネシア政府は近年では国内でのニッケル採掘と精錬からEVバッテリー、および、EV生産まで、フォード、ポルシェ、ヒュンデ、CALT、LGなどの国際的な自動車およびバッテリーメーカーと総額150億米ドル以上の提携契約を締結している。EV生産者メーカーは、自動車部品等の現地調達が2027年まで調達率が最低限60%、2030年までに同80%に達した場合、輸入関税と奢侈税が免除されるという優遇措置を受けることができる。このため、イーストスプリングは、EVサプライチェーンの上流および中流に位置付けられるEV用バッテリー材料製造業者に加えて、EVサプライチェーンの下流分野といえる2輪EVの生産と販売、4輪EVの販売と販売店、EVバッテリーパックと電子センサーの生産、EV関連ソリューションとインフラに携わるような企業にも今後、成長の可能性が広がっているとする。
イーストスプリングは、レポートのまとめとして「EVテーマを投資に活用するには、インドネシアの2輪および4輪のサプライチェーン上場企業への投資が賢明。自動車部品メーカー、EV生産メーカー、ディーラーが主な勝者になるだろう。この3者はインドネシアの自動車バリューチェーンの約7割を占めるに至っている」として、インドネシアの自動車産業の成長性に注目している。
現在、国内の投信市場においてインドネシア株を主たる投資対象においたファンドは、多くはない。ファンド名に「インドネシア」が入っている株式ファンドは、「イーストS・インドネシア株式オープン」、「イーストスプリング・インドネシア株式(資産成長型) 『愛称:+αインドネシア(プラスアルファインドネシア)』」、「アムンディ・チャインドネシア株投信」、「インドネシア株式ファンド」、「アムンディ・インドネシア・ファンド 『愛称:ガルーダ』」、「(ノムラ・アジア)インドネシア・フォーカス」、「東洋・インドネシア株式ファンド」の7本を数えるのみだ。この中で、最大のファンドが「イーストS・インドネシア株式オープン」の純資産残高94億89百万円だ。数千億円規模に成長したファンドがあるインド株ファンドなどと比較すると小さな市場だ。