TikTok ショップ のサマーセールを振り返る。Amazonプライムデーに対抗した各ブランドの価格&販売施策
セールスの鍵を握る美容カテゴリー
eマーケターのカナベス氏は、TikTokショップのイベント期間中、もっともパフォーマンスの高いカテゴリーになるのは美容だと予想した。もしそうならTikTokは、自社のブランドポートフォリオにより多くの美容ブランドを引き込もうと総力を挙げて取り組んでいるAmazonとの厳しい競争に直面することになる。Amazonは今年のプライムデーの日程を発表した際、キールズ(Kiehl’s)やクリニーク(Clinique)といったトップ美容ブランド数社を宣伝した。eマーケターのデータによると、Amazonのパーソナルケアと美容製品の売上は、米国におけるこれらのカテゴリーのeコマース全体の売上を上回る伸びを示している。 「TikTokにとって美容は、多くの有名ブランドやプレミアムブランドさえもTikTokショップに参加させることができたという分野ではあるが、ほかの多くのカテゴリーのブランドは少し躊躇している」とカナベス氏は言う。「このことは、美容のプラットフォームとしてのTikTokの強みを物語っている。発見から商品のリサーチ、そしてプラットフォームを通じて、ブランドから直接美容製品を購入することができるのだ」。 ブランドにとって、TikTokの7月のセールイベントは、このプラットフォームのバイラル性を利用して、割引を狙う買い物客により多くの商品を手に取ってもらう機会であった。そのためにTikTokショップは一部の商品の割引を補助した。TikTokショップがデビューした当初は、割引や送料を負担することでセラーを引きつけたという点を考えると、これはTikTokショップが本来の姿に戻ることを示している。その後TikTokショップは支出を減らすためにこれらのサービスの一部を縮小し、セラーの手数料を引き上げてた。ジ・インフォメーション(The Information)は、TikTokショップが昨年5億ドル(約796.7億円)以上の損失を出しそうだと報じた。