「AIブーム」に警鐘…個人投資家が「AI関連銘柄」への投資に慎重になるべき3つの理由【株式投資のプロが解説】
近年、AI(人工知能)がブームになっています。AI分野への投資が盛んになるとともに、企業の進出も増加傾向にあります。しかしながら、個人投資家はそうした「AI関連銘柄」への投資には慎重になったほうがよいと、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。本稿では、AI関連銘柄への投資に慎重になるべき「3つの理由」について河合氏が解説します。 【画像】「30年間、毎月1ドルずつ」積み立て投資をすると…
AIが本当に社会を変えるかどうかわからない
実はAIは過去に2回ほどブームが起き、終わっています。第一次AIブームは1950年代後半から1960年代、第二次AIブームは1980年代といわれ、ともに当時の技術では社会の期待に応えることができずに、AI研究はその後一転して冬の時代を迎えています。要するに、「ブームにはなったが、思ったほど使えなかった」ためにブームが終わってしまったのです。 そしてそうであるならば、2000年代から続いているといわれる現在の第三次AIブームも、同じような結末を迎える可能性は十分にあるのではないでしょうか。 現在のAIブームは、インターネットの普及に伴って「ビッグデータ」と呼ばれる大量の情報を収集することが可能になり、それを用いてAIに自ら知識を獲得・習得する能力を持たせることができるようになったことが背景となっています。 現実的に、AIを搭載したロボットが店頭に置かれたり、企業のカスタマーサービスがウェブ上でAIによって対応してくれたり、といったわかりやすい社会の変化もあります。しかし、「それよりはやっぱり人間に対応してもらったほうがよい」と感じる人は少なくないのではないでしょうか。 もちろん、本当にAIが社会を変える可能性もあります。近年特に注目されているコンテンツ生成AIのほか、バイオ創薬やドローン、自動運転車、ロボット、フィンテックなどの分野にもAIは技術的な関連がありますので、どの分野でAIが社会に革命的な変化をもたらすかはわかりません。 しかし、やはり「可能性がある」というだけであり、投資には慎重になったほうがよいでしょう。 これは、「投資をしないほうがよい」というわけではなく、投資をするとしても、三度「ブームにはなったが、思ったほど使えなかった」ということが起きることも考えて、過度なリスクを負わないほうがよい、ということです。