米大学で学ぶ留学生、23~24年度は過去最高112万人 経済効果は7兆円超え
留学を足がかりに就労する学生も過去最多に
中国からの留学生数も減少した。インドに続いて2番目に多いものの、前年度比4.2%減の27万7398人にとどまった。インドと中国で全留学生の54%を占める。 ただし、オープン・ドアーズのデータでは、他の地域からの留学生が目立って増えたことも示されている。南アジア、サハラ以南アフリカ、中南米からの留学生が増え、バングラデシュやネパール、ガーナ、コロンビアなどの国々は過去最多を記録した。 学ぶ地として留学生に最も人気のある州はカリフォルニア、ニューヨーク、テキサスで、全米44州で留学生数が増加した。留学生が最も多かったのはニューヨーク大学で、2万7247人が在籍している。 留学生が卒業後に専攻分野に関連する職種で就労できるオプション・プラクティカル・トレーニング(OPT)制度を利用した学生は過去最多となり、前年度比22%増の24万2782人だった。OPTを米国での就職の足がかりとして活用する留学生は大学院に多く、OPTの大幅な増加は大学院留学生人口の増加を反映している。 「OPTは留学生の学業経験において不可欠な要素であるため、留学生の総数に含めている」とマーテルは説明した。「留学生が学ぶカレッジや大学がOPTを支援しており、留学生が専門とする分野で実践的な経験を積むための就労機会を提供している」 留学生の入学者数はほぼ横ばいで、前年度比0.1%増の29万8705人だった。パンデミックの影響で入学者数は落ち込んだが、ここ数年は反動で急増しており、「2023年の入学者は0.1%増と前年並みで落ち着いた」という。 専攻分野として最も人気があるのは引き続きSTEM(科学・技術・工学・数学)で、留学生の56%が専攻している。これは世界の雇用傾向、特にハイテクが経済の原動力となっている状況に沿ったものだ。留学生の19%が工学を学んでいる。 オープン・ドアーズによると、単位取得を目的に外国に留学する米国人学生も増えており、2022~23年度(米国への留学生のデータから1年遅れでまとめられている)は前年度比49%増の28万716人だった。これは、大学が留学プログラムを停止して多くの国が入国制限を行ったパンデミック時からの回復傾向が続いていることを示している。
Anna Esaki-Smith