早稲田実業、壮絶な乱打戦を制する!3年生の「神宮球場で勝ちたい」という執念が勝利を呼び込む【24年夏の西東京大会】
<第106回全国高校野球選手権大会西東京大会:早稲田実 14-13 國學院久我山>22日◇準々決勝◇明治神宮野球場 【トーナメント表】西東京大会 22日までの結果一覧 試合開始が14時33分。雷による中断が54分あり、試合終了が19時。スコアは早稲田実14―13國學院久我山という壮絶な試合だった。 1回表、國學院久我山は樺山 幸弥一塁手(3年)が先制3ランを放つと、1回裏に1点を返した早稲田実が2回表に宇野 真仁朗遊撃手(3年)の満塁弾で逆転する。3回裏は宇野の二塁打に加え、國學院久我山投手陣の乱調もあり、一挙に6点を挙げ、コールドゲームかという展開になった。 しかし國學院久我山は追い上げる。5回表には3番・中澤 隆将二塁手(2年)が完璧な本盗を決めて流れを持ってくる。6回が終わって13-7と早稲田実がリードしていたが、7回表には早稲田実投手陣が四死球を5個出したのに加え、3番・中澤がこの回だけで2本の安打を放つなどして6点を挙げ同点に追いつく。 8回裏早稲田実の攻撃で宇野を二塁において、3番・高崎 亘弘三塁手(3年)が二塁打を放って宇野が生還し、早稲田実が勝ち越した。 早稲田実は5人の投手を起用したが、2年生の多い投手陣の中で7回途中から登板し、最後まで投げ切ったのは3年生の山崎 啓生だった。決勝打を放った高崎も、高崎の安打で決勝のホームインした宇野も3年生だった。宇野が背番号5で遊撃手。高崎が背番号6で三塁手である。和泉実監督がこのポジションで行くことを決意したのは、大会直前だった。それが一番しっくりくる組み合わせだったわけだ。そして宇野は「神宮球場で勝ちたい」という強い思いを持っていた。和泉監督に勝った最大の要因について聞いても、「この子たちは神宮球場で勝っていない。何としても勝ちたいという思いがありました」と語る。 早稲田実はこの2年、夏は準々決勝で負けている。神宮球場で行われた昨年の秋季都大会の準決勝も勝てなかった。その悔しい思いが、壮絶な試合の最後の一押しになった。「都のいぬゐ早稲田なる……」で始まる校歌が神宮球場に響いた。次は甲子園で校歌を聞く番だ。それには、まだまだ厳しい戦いを勝ち抜かなければならない。