リーグワンが今後の方向性を発表。スタジアムの固定化や秋の公式戦開催、カテゴリA細分化、若手育成リーグの開催へ。
11月28日、リーグワンが記者会見を開き、東海林一専務理事が今後のリーグの方向性を語った。 リーグワンは創設の際に、2022年から3シーズンを「フェーズ1」、2025年から4シーズンを「フェーズ2」、2029年から4シーズンを「フェーズ3」と位置づけ、段階的発展を目指すとしていた。 今年12月21日から始まる2024-25シーズンは「フェーズ2」の1年目にあたる。 今季からは3チームの新規参入を受け入れ、ディビジョン3(D3)に狭山セコムラガッツ、ヤクルトレビンズ戸田、ルリーロ福岡が加入。D1は試合数を2試合増加し(18試合)、プレーオフトーナメントの出場枠も4チームから6チームに拡大する。 また、入替戦の出場チームを3から2に減らす。 今回の発表ではさらに、新ルールが導入されることが明らかになった。詳細は後日発表予定としているが、「上限3名の期限付き移籍」や「カテゴリB・Cの抹消選手の再登録」を可能とする。 東海林専務理事は導入の経緯について、「モビリティ(流動性)の向上、選手の出場機会の確保、そしてファンの方により高いレベルの試合を楽しんでいただくために実現する」と説明。 「期限付き移籍は上限を3人、4月以降は上限1人としたいと考えています。(上限を絞るのは)シーズン後半で戦力が大幅に変わることは不公平になるためです」と話した。 また2025-26シーズン以降は、以下の変更を目指す(編集部抜粋)。 *カギカッコ内は東海林専務理事のコメント ①2026-27シーズンから「普及育成枠」の導入を検討 →普及育成の観点から、カテゴリAの一定数を義務教育期間のうち一定期間を日本で過ごした選手とする。 「一定期間を日本で育った選手がいることは、次世代の方々にとって非常に重要なこと。最終的なルールは協議中です」 ②「第3フェーズ」が始まる2028-29シーズンからは秋のリーグワン開催を目指す →実現に向けて2026-27シーズンから段階的な試合増を検討。各シーズンの2シーズン前に状況を踏まえて最終決定する。 「秋に実施する場合は代表活動と重なりが生じます。どこまでを重ねて試合を実施するかは、ファン目線で考える必要があります。しかし、秋という過ごしやすいシーズンにリーグワンの試合を実施することは必要だと考えています。ただ、多くの試合が秋におこなわれるのは適切ではないと思っているので、どう工夫するかを今後、考えていきます」 ③2025-26シーズンから秋に「若手育成リーグ」の開催実現を目指す →リーグワンの経験が一定未満の選手が一定数いるチームで編成し、若手が試合経験を積む、若手の能力を高める、人材をさらに発掘する機会とする。 「年齢やリーグワンキャップで出場選手を決定する方針です。ただ、すべての出場選手がその条件を満たすのは難しいため、『一定』の人数という形になると思います。また、秋はチームの強化期間でもあるので、限られた地域で限られたチーム数でリーグが主体になることを想定しています。現時点でサポートいただくパートナー企業もいらっしゃるため、一定の財務的な目処はついています」 ④2026-27シーズンから海外との連携強化を進める →チャンピオンシップ形式でのクロスボーダーマッチの早期開催を目指す(2025-26シーズンは未開催)。海外チーム(アジア)のリーグワン参入を継続協議中。 ⑤「第2フェーズ」でD1の母体企業のサポート比率を平均60%以内とすることを目指し、2027-28シーズンに「サラリーキャップ」の導入を目指す →事業の安定性を高めることで、人材が集う魅力的なリーグを構築する。 ⑥「第3フェーズ」が始まる2028-29シーズンに、ライセンス制にもとづく「スタジアムの固定化」を目指す →実現に向けて、2025-26シーズン以降にルール化し、ホストエリア、セカンダリーホストエリアでの「スタジアムの固定化」を推進する。また、ライセンス制定後は上位ディビジョン昇格の際の必須条件となる。ライセンスには、ホストエリア内のスタジアムを3か所を上限に確保すること、ホストスタジアムで5割以上の試合を実施すること、キャパシティはD1で1万人以上などを定める予定。