石破茂衆院議員がみる岸田総理の「聞く力」と「語る力」
本日のテーマ:同い年の岸田総理、どう評価する?
最初からなかなかディープなテーマに「おおぅ」とうなる石破氏。 かつて総裁選を争った岸田総理と石破氏は、同じ昭和32年生まれ。ライバルでもありながら、同じ年の岸田総理とは、中谷元衆院議員、石原伸晃元衆院議員の4人でお誕生日会を開く間柄だと語ります。 石破氏「なんか理屈をつけるんだよね。なかなか最近やってないんですけどね」 石破氏と岸田総理との関係性がつかめたところで、本題に切り込みます。
水内氏「岸田総理、いま、支持率もすごく落ちて苦しい極みだと思うんですよね。総裁選ばかりが気にされるところがありますが、3年3か月の実績はどう思われますか?」 議員生活38年の中で、延べ19人の総理大臣を間近で見てきたという石破氏は、総理大臣を日本で一番大事な仕事と語ります。 石破氏「大臣というのはね、総理どうしましょうかって最後は相談できます。総理はね、最後は誰にも相談できない」 福田康夫元総理大臣が何度も語ったという「総理大臣になると誰も本当のことを言ってくれないんだよ」という言葉も添え、3年務めたことを評価しました。 石破氏は、「岸田政権は、安倍総理の頃にできなかったこともやってきた」と評価しますが、世間でも問われていることを問いかけ、それらが伝わっていないと示します。 ・「新しい資本主義」って何だったんだろう ・「新しい安全保障」は今までと何がどう違ったのだろうか ・「(異次元の)少子化対策」は何だったんだろう 石破氏「総理が一生懸命やっておられても、真意は、何だったんだろうね、というところが、今ひとつ国民に伝わっていないところがあって。それを我々お支えするものが、一生懸命伝えていかなければいけないことなんですね」 水内氏「岸田総理は、防衛費を増やし、反撃能力の向上を決断した反面、党内調整は少し苦手なのかなと思うんですけど」 石破氏は、「4人の会でも岸田さんはずっと聞き役に回っている」と、岸田総理には聞く力があると説明します。 石破氏「あとは『語る力』ね」 石破氏は、政策の要点や目的を国民に語ることができていないと示唆しながらも、「もし岸田さんが(説明することが)やや苦手であるならば、支えている我々が総理に代わって言わなければ言わなければならないのであって、なんでもかんでも岸田さんが悪いんだみたいなのは私はフェアだと思わない」と説明します。 水内氏「岸田さんというだけで忌避反応を示す人がいる。党内にはそれを嫌って9月の総裁選を考える人がいると思うんです」 水内氏「先生のお答えを聞く前に僕が1個だけ言うと、その視点もわかるんだけど、自民党の議員たちも一国一城の主だから、まずは自分たちで説明して、選挙のことを考えたら強くなれよって考えるんだけど」 石破氏は、1990年2月の消費税導入の是非を問う解散総選挙の時のエピソードを語ります。 竹下登総理が「これはやる。反対が多いなら自分が街頭に出て説明する」と宣言して導入した消費税ですが、参院選で野党が過半数を獲得し自民党の支持率が1桁まで下がる状況でした。 そして、海部俊樹内閣で消費税導入の是非を再び争点にした解散総選挙でしたが……。 石破氏「逆風は強かったけれど、何のために消費税が必要だったか、中選挙区だった私は鳥取県で一生懸命説明した。初めてのトップ当選だった」 その時の経験から得たものとして、石破氏は総理に頼るだけでなく、政治家ひとりひとりの説明があって初めて国民に届くのだと説きます。 石破氏「総理がこんなこと言ってるから助からないぜ、じゃなくて、政策に賛成するなら、共鳴するなら、法律案で賛成票を投じたんだったら一生懸命自分も説明しなきゃと私は思うんですよね」 石破氏は「自分たちも努力しなきゃっていうのが、私たちが先輩たちから教わってきたことですよね」と、総理批判に釘を刺します。