私が政治に関わるワケ 政党「学生部」に集う若者の思いとは【政界Web】
車座、学習会、選挙
公明党は09年、党本部に学生局を設置した。局長を務める河西宏一衆院議員(比例代表東京ブロック、1期)によると、前年のリーマン・ショックに伴う就職内定の取り消しが相次ぐ中、「学生の現状を踏まえた政策づくり」の必要性を感じたという。 他党と異なり、議員との意見交換が中心。車座対話を重ね、党を通じた政府への政策提言も行う。河西氏は若者の政治離れについて「どんなに『投票率を上げよう』と呼び掛けても、日常的に政治に触れていなければ動かない」と語る。 共産党は都道府県委員会や地区委員会の傘下に「学生支部」を設けている。「職場、地域、学園などに3人以上の党員がいれば支部をつくる」と定める党規約に基づく。 原則として週1回開く支部会議では、「科学的社会主義」など党の基本的な考え方を学ぶことに力を入れているという。田村智子委員長らを輩出した青年組織「日本民主青年同盟」(民青)とも連携して「平和」の問題などに関して活動を展開する。 国民民主党は21年5月、党本部に学生部を設立した。月1回のオンラインでの全体会議や党所属国会議員を講師とした勉強会を開催。地域ごとに選挙の応援も行う。 今年5月時点で約200人が在籍する。中学卒業後の15~29歳、他党の党員でないことが条件。立民と同様に学籍の有無は問わない。 ◇「見たことのない世界」を 学生部のメンバーはどんな思いで活動しているのか。 自民党兵庫県連学生部で部長を務める田口辰典さん(22)は2年前、大学の先輩に当たる高市早苗経済安全保障担当相の勧めで活動を始めた。将来、政治家になるのも選択肢の一つ。「自民党が唯一、行政に携わっている政党だ」と考え、実務的なことが学べると判断して学生部に加わったという。 今年度は全国協議会の会長を務めており、学生部全体の規模拡大を目指している。SNSを通じて「多感な時期に見たことがない世界を見られる」を強調し、政治に興味のない学生の好奇心をあおる作戦だ。人数が増えれば、学生部として行う党への提言により重みが出るとみている。