私が政治に関わるワケ 政党「学生部」に集う若者の思いとは【政界Web】
「18歳選挙権」で自民加速
主な政党には大学生を中心とした「学生部」と呼ばれる組織があるのをご存じだろうか。勉強会や街頭活動、政策提言などを通じ、有権者の政治参画の一翼を担っている。若年層の政治離れがなお続く中、政治への関心を行動に移している彼ら、彼女たちに思いを聞いた。(時事通信政治部 岩渕健太郎) 【図解】政党支持率の推移【時事通信社】 まずは各党の学生組織をひもといてみる。 自民党は「若い世代への党勢拡大」を目的に都道府県連ごとに置く。結党の翌年、1956年に最初の学生部が東京に誕生。2001年に他県へ広がり、16年の「18歳選挙権」スタートの前後に設立の動きが加速した。今年6月末時点で34都道府県連に存在し、定期的に研修会などを開いている。 横のつながりを強めようと22年に「全国協議会」を設け、昨年末には議員たちが参加しない学生のみの街頭演説会を初めて開催した。派閥の裏金事件に大揺れに揺れる自民党だが、党本部の担当者は「党の活動風景が変わったと感じた」と語る。今年元日に発生した能登半島地震のボランティア活動にも参加したという。
学籍問わない立民
立憲民主党は「りっけんユース」の名称で、党本部の青年局の下に設置している。「若者に政治を理解してもらうことは政党の責任」(担当者)との考えから、旧立民と旧国民民主党などが合流して現在の立民が旗揚げした20年9月につくった。自民党などと比べて後発政党であるだけに、若年層でも組織の足腰を強くしたいとの狙いが見て取れる。 今年6月時点で約90人が在籍。交流会を月1回のペースで開き、政治と触れ合う場を確保するため、党への提言や海外政党の学生部との交流も行う。16~25歳が入会の条件で、学籍の有無は問わない。25歳以上を対象とした組織の設立も考えているという。 日本維新の会は現在の党名になる直前の16年7月に学生部を設立した。高校生、25歳以下の学生、30歳以下の大学院生であれば誰でも入れ、今年6月時点で約100人が所属する。学生らの政治参加促進と投票率向上を目標に活動している。 主な活動は地域支部ごとの定例会や党への政策提言、街頭活動など。本部は拠点の大阪にあるが、関東、九州など五つの地域支部を置き、支部同士で連携することもあるという。