チョルノービリに不法侵入しないで ウクライナ、ゲーマーに警告
【AFP=時事】ウクライナ国境警備隊は21日、ホラーゲームのファンに対し、チョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所の立入禁止区域に不法侵入しないよう警告した。厳重管理下にある一帯では、これまでに不法侵入で数十人が逮捕されているという。 【写真】チェルノブイリの廃虚で軍事訓練、市街戦想定 ウクライナ 人気のFPS(一人称視点シューティングゲーム)「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl(ストーカー2:ハート・オブ・チョルノービリ)」は、1986年に大惨事を起こした同原発の立入禁止区域が舞台。ミュータントやヒューマノイド(人間型ロボット)、モンスターがうろつく終末後の世界をプレーヤー(「ストーカー」)が探索するサバイバルゲームとなっている。 ウクライナのゲームスタジオGSCが開発した「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズの最新作となる「S.T.A.L.K.E.R. 2」がリリースされた翌日、国境警備隊は「極限のスリルを求めて立入禁止区域への不法侵入を試みた冒険者の相当数が、ビデオゲーム愛好家であることが判明した」と述べた。 デジタル転換省によると、最新作は非常に人気が高くダウンロードが殺到したため、ウクライナ全土で「一時的にインターネット回線の速度が低下」し、通常に比べてデータ使用量が「少なくとも35%」増加した。 国境警備隊は、チョルノービリ立入禁止区域は「一般人の立ち入りが禁じられている制限区域で、高濃度の放射性物質に汚染されている」と警告。「この区域に法侵入・滞在すれば、行政責任および刑事責任を問われる」と述べた。 国境警備隊によると、ロシアによるウクライナ侵攻開始前の2021年には、米国、ドイツ、韓国などから計100人以上が、原発の半径30キロの禁止区域への不法侵入で拘束された。 2022年の侵攻開始以降はウクライナが戒厳令を敷いたため、不法侵入の件数は減少したが「いまだ発生している」と警備隊関係者はAFPに語った。【翻訳編集】 AFPBB News