サイゼリヤの激ムズ間違い探し、ついに発見された「究極の攻略法」
サイゼリヤで料理が届くまでの楽しみのひとつが「間違い探し」だ。ネット上ではしばしば「難しすぎる」「難易度えぐい」と話題になるサイゼの間違い探しについて、真剣に攻略法を考えてみたい。(イトモス研究所所長 小倉健一) 【画像】江頭2:50も絶賛!ミラノ風ドリアに「ちょい足し」するだけで激ウマになる裏ワザとは? ● 激ムズ間違い探し「ヒヨコの位置が1ミリ違う」 サイゼリヤの「間違い探し」は、単なる子ども向けの遊びではなく、広くファミリー層に支持される娯楽として、また店舗体験の一部として進化を遂げてきた。 2005年に初めてキッズメニューに取り入れられて以来、難易度の高さが話題となり、現在では一種の文化的存在として愛されている。サイゼリヤの理念「La Buona Tavola」(イタリア語で“楽しい食卓”)を体現しているともいえよう。 難易度の高さには驚嘆せざるを得ない。ネット上でも「難しすぎる」「過去イチむずい」「あまりの苦行に号泣」といった声が散見される。特に最後の数個の間違いを見つけることは、多くの人にとって困難を極める。 例えば、「ヒヨコの位置が1ミリ違う」「ズッキーニの太さが異なる」など、細部にわたる間違いが設定されている。 一般的な間違い探しの概念を超越し、もはや視覚と集中力を試される試練とも言える。難関に挑む過程で、解答者は自らの観察力を限界まで引き出されることとなる。 一方で、難易度の設計には明確な意図が存在する。 まいどなニュースの担当者インタビューによれば、間違いの設定は「見つけやすいもの」と「少し難しいもの」に分けられ、大人が15~20分で解ける難易度に調整されているという。店舗内で観察を行いながら設問を練り上げ、社内検証も実施されている点から、作り込みの深さがうかがえる。
● 脳をバグらせる「非注意性盲目」のメカニズム サイゼリヤの間違い探しが難しいと感じられる理由の一つは、「非注意性盲目」(不注意盲)と呼ばれる現象にある。非注意性盲目とは、目に入っているはずの情報を脳が処理せず、結果として気づかない状態を指す。 これにより、間違い探しでは視覚的に「見えている」はずの違いを脳が無視し、発見が困難になる。 画面の中で「ズッキーニの太さが違う」という細かい違いが設けられている場合、注意が別の要素に集中していると、気づけないことが多い。脳が情報処理の優先順位を決定する際に、意識的に集中した対象以外の要素を無意識に切り捨てるためである。 非注意性盲目は人間の注意能力の限界によって引き起こされる。脳が処理できる情報量には限りがあり、特定のタスクや対象に注意を集中すると、それ以外の情報が処理されず、結果的に見逃されることになる。 サイゼリヤの間違い探しでは、細部まで観察する必要があるが、脳は「重要でない」と判断した情報を無視する傾向があるため、発見が困難になる。 「絵の中でヒヨコの位置が1ミリ違う」というような微細な違いは、脳が日常的な判断基準では「無視しても支障がない」と認識しやすい。だからこそ、間違い探しが非常に難しく感じられるわけだ。 選択的注意も間違い探しの難易度に影響を与える要因である。選択的注意とは、特定の情報に意識を集中させる能力を指すが、集中の結果として非注意性盲目が発生する。 例えば、絵全体の「雰囲気」や「テーマ」に注意を向けているとき、個別の要素の細かい違いに気づくことができなくなる。 サイゼリヤの間違い探しは、絵の中の全体像と細部の両方に注意を払う必要があるため、選択的注意の働きが、解答者にとってハードルとなる。脳が「大きな違いを見つける」ことを優先すると、「小さな違い」は無意識に除外されることが多い。 視覚的注意の範囲も間違い探しにおける難しさを高める要因である。