札幌・ススキノでホテル建設加速 25~27年に少なくとも7棟 訪日客の需要見込む
北海道最大の歓楽街として知られる札幌市中央区のススキノ地区で再開発が加速している。特に道外各社が訪日客を当て込んだホテル開発にしのぎを削っており、2025~27年の3年間で完成するホテルは少なくとも7棟と、直近3年間のおよそ2倍。比較的割安な地価も背景に、土地取得の動きも活発だ。近年、札幌駅や大通公園周辺のオフィスやマンションが中心だった再開発の波は、都心部の南側に波及し、様相も変えつつある。 【地図】ススキノ地区の主な再開発などの動き
ススキノ中心部、南6西4の一画。かつてスナックや居酒屋など50店以上の看板が並んだ「若島ビル」跡地で、日本エスコン(東京)は25年3月、ホテル新築に着工する。13階建て全154室を27年2月に開業する。 同社は南7西4のクラブ「キングムー」跡地でも26年7月開業を目指してホテルを建設中。加藤嘉朗北海道支店長は「ホテルはまだ足りない。飲食店が多く観光に便利で、地価もさほど高くないススキノの利点は大きい」と説明する。 南4~8、西1~8のススキノ地区では25~27年、今のところホテル7棟が完成予定だ。既存ホテルの改装が中心だった22~24年は4棟にとどまっており、25年以降は顕著に開発が加速する。 背景には訪日観光の盛り上がりがある。観光庁によると、訪日客の1人当たり道内宿泊費は直近の24年7~9月、前年同期比13・2%増の4万3千円。訪日客数も24・0%増の58万4千人と好調で、単価、客数共にコロナ前の19年を上回った。