雪うんざり 青森で積雪一時120センチ 市民「除雪いつ」
12月から雪が降り続き、3日に積雪が一時120センチに達した青森市。多くの住宅地や生活道路では、市などの除排雪が追い付いていない状況だ。連日の雪片付けに加え、道路状態の悪化で車での行き来にも苦労する現状に、市民からは「いつ除雪が入るのか」と不満の声が上がっている。 里見1丁目では3日朝、地域住民がこぞってスノーダンプなどを持ち出し、どっさり積もった雪を片付けていた。ガレージの屋根雪を下ろしていた澤田大輔さん(40)は「市の除排雪は年末から全然来てくれない。今年は特別ひどい」と怒りの表情。「一刻も早く(除排雪に)入ってもらわないと困る」と語気を強めた。 大型商業施設に近い浜田地区の住宅地では、一部の通りで路面の雪がまだらに削られて穴やこぶができ、左右に揺れながら通る車からは車体の底を打つ鈍い音が聞こえた。細い路地では、シャーベット状の雪にタイヤがはまり「スタック」する車も。近くに引っ越して4年目という50代女性は「あまりにも運転しづらいので職場にも徒歩で通っている」と話した。 新田2丁目の住宅地の通りでも、車1台分まで道幅が狭まり、対向車がすれ違えない状態に。譲り合って通過する車や、Uターンして通行を諦める車が見られた。自宅前で帰省中の親族を見送った男性会社員(64)は「正月は業者が休みなんだろうか。年末から除雪が入っていない。買い物でも遠回りし大きな幹線道路を選んで走っている」と苦笑いした。 3日未明、大野若宮では、重機2台が道路の除排雪に当たっていた。約25年間作業を請け負っているという蝦名商事の蝦名正幸社長(54)は激しい雪の中で作業を見守りながら「年末も正月も、重機6台とダンプ15台のフル稼働で対応している。それでも全く追い付いていないのが実情だ」と苦しい内情を明かした。 除排雪を担当する市道路維持課によると、青森地区では3日の相談窓口への問い合わせ(午後3時現在)は368件、今季累計は7148件となり、昨季全体(2148件)の3倍を超えた。相談内容の7~8割は除排雪の要望と「いつ除雪車がくるのか」の問い合わせが占めるという。同課の担当者は3日の取材に「除雪業者には2日時点で、市内一斉の出動指令を出した。準備が整い次第、順次作業に当たってもらっている」と話した。 市は4日に豪雪災害対策本部(本部長・西秀記市長)を設置する。3日には西市長が多くの市民の仕事始めに備え、市内全域の市道幹線や生活道路の除排雪を完了させることなどを指示した。