【40代・50代は知っておきたい】被災地の避難所生活で起こる「性被害」。身を護るためにできることをレスキューのプロが解説!
性被害から身を護るために、持つべきものは「ヘッドライト」と「防災笛」
防犯上の観点から、持っておくといいもののひとつはヘッドライト。 「懐中電灯など手に持つライトだと、いざというときに取り落としたりしやすいので、頭につけられて両手が空くヘッドライトがベストです」 そしてもうひとつは防災笛や防犯ブザー。 「防災笛は、例えばがれきの下に入ってしまったりどこかに閉じ込められたときにも使えるので、ぜひ普段から持ち歩いてほしい。けれど中に球が入っているホイッスルタイプは吹く際に肺活量が必要ですし、交通整理の警笛と区別がつきにくいことも。比較的少ない呼気で鋭く通る音が出る、いわゆる『防災笛』という名前で売られているもののほうがベターです」 一人で行動しないこともとても大事だそう。 「子どもに『一人でトイレに行ってはダメだよ』と言い聞かせる親御さんは多いと思いますが、災害時は大人も一人で行動するのは絶対に避けて。 一人よりは二人、二人よりは三人。できるだけ集団で行動するようにしましょう。それは夜だけではなく昼間も同じです。トイレなどに行く際は、周囲の人に『行ってくる』と声をかけておくのもいいですね。 また、意外なようだが『女性から性被害にあった』という男性の訴えを耳にすることも。自分も被害を起こす側になり得る、という視点を持つことも必要です。 おおげさな、と感じる人もいるかもしれませんが、『普段なんでもない人の心理が変わってしまうのが災害時だ』ということを心にとめておいてほしいです」
【教えてくれたのは】 辻 直美さん 国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾代表理事。1991年、看護師免許取得。1993年「国境なき医師団」の活動で上海に赴任。帰国後、阪神・淡路大震災で実家が全壊したのを機に災害医療に目覚める。以降、国際緊急援助隊医療チーム(JMTDR)において国内外の被災地で活動。現在はフリーランスのナースとして講演、防災教育、被災地支援活動を行う。『レスキューナースが教えるプチプラ防災』(扶桑社)ほか、防災関連の著書多数。