先月のアジア株式市場は「おおむね上昇」…株価の押し上げ要因は?アジア・マーケット動向を振り返る【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
中国<金融市場動向>
⇒株式はもみあい、元安リスクに留意、金利はもみ合いながら低下。 【株式市場】 ◆景気浮揚に向けた取り組みを進める 中国政府が低迷する株式市場への支援強化を示唆したことなどが好感されたほか、春節(旧正月)連休中の消費関連支出が堅調であると伝わり、中国景気の改善期待が高まった。また中国人民銀行が住宅ローン金利の基準となる5年物最優遇貸出金利(LPR)を引き下げたことも株価の押し上げ要因となった。投資戦略においては、引き続き構造的な成長分野の有力企業、政策のサポートを得ている企業、国際競争力のある企業、増配が期待できる企業に着目し、ツーリズムや高齢化関連、環境関連や工場自動化などが長期目線では有望視できそうだ。 【為替・債券(国債)市場】 ◆元安リスクに留意 米国の利下げ観測が浮上している状況下では人民元の対米ドルレートは上昇しやすいとみる。ただし、米国景気が引き続き堅調な内容であったことから短期的には米ドル上昇リスクがあることに加え、中国の金融政策は預金準備率引き下げなど緩和姿勢がすでに強化されているだけでなく、米中対立に伴う海外からの銀行融資の引き揚げリスクなどを考慮すれば、目先の元安リスクに留意したい。日本では利上げを含めた金融引き締めへの警戒感があるものの、引き締め長期化の可能性が低いことから円に対する下落リスクは限定的だろう。 ◆債券利回りはもみ合いながら低下する展開 中国では、軟調な経済指標が継続しており、人民銀行による流動性供給を背景に、春節休暇前においても流動性環境が緩和的な水準を維持していたことから、金利は低下。月半ばに人民銀行がLPRの5年物を市場予想以上に引き下げたことから、金利は低下基調を継続して推移。 目先は、先行きの中国経済の回復の鈍さが意識されつつ、追加金融緩和への期待が高まる展開は継続すると見込み、中国国債利回りはもみ合いながら低下する展開を予想する。
【関連記事】
- 先月のアジア株式市場は「おおむね上昇」…株価の押し上げ要因は?アジア・マーケット動向を振り返る【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
- 「インド株」の上昇率は“相対的に小幅”ながらも、底堅い値動きになると想定 ~先月のアジア・マーケットを振り返る【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
- 日経平均が史上最高値を更新するなか、プライム市場上場の「開示済み」割合は“着実に進展”【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 「日経平均4万円」の大台乗せは“通過点” ~ただし目先は乱高下に注意【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 24年の訪日外客数は「過去最高」が期待される…景気の先読みに役立つ「身近なデータ」【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】