京都市の「高級ホテル」開業ラッシュは“人口減少”のカウントダウンか? 役所は関係否定も、止まらぬ観光公害&地価高騰で今後どうなる
京都で高級ホテルの増加
京都市で高級ホテルの開業が続いている。観光公害の悪化が懸念されるばかりか、市中心部でオフィスやマンションが不足し、暮らしや経済活動への影響が心配されている。 【画像】えっ…! これが60年前の「京都駅」です(計9枚) 鴨川沿いにある京阪七条駅から人の波が途切れない。キャリーケースを引きずった外国人の男女が、スマートフォンの案内に従って東へ歩く。三十三間堂や豊国神社がある京都市東山区の東山七条は連休中、訪日客でごった返した。 米国から来た家族連れは4月末に開業した高級ホテルへ入った。英ホテル大手のインターコンチネンタル・ホテルズ・グループの「シックスセンシズ京都」だ。家族連れの女性は 「京都は日本の美と伝統が残っている。今から楽しみ」 と笑顔を見せた。 館内は木材を多用し、鳥獣戯画のモチーフや水の流れを描いた襖絵(ふすまえ)で飾られている。客室は約80室。レストランやプール、スパなど付帯施設も充実し、税・サービス料込みで1泊1室15万円から。最高級のペントハウス・スイートは広さ約240平方メートルで1泊1室200万円前後と、庶民に高根の花の豪華さを誇る。
東山区などで続々と
近くには、カナダのホテルチェーン・フォーシーズンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツが2016年、高級ホテルの先駆けとして「フォーシーズンズホテル京都」を開業している。最高級の客室は1泊1室120万円超。海外の富裕層が京都観光を楽しむ拠点として定着している。 市内では今後も高級ホテルの開業ラッシュが続く。2024年は「ヒルトン京都」が中京区、「バンヤンツリー・東山京都」が東山区、「リージェント京都」が左京区でオープンする予定だ。 2025年以降も「シャングリ・ラホテル京都二条城計画(仮称)」と「京都相国寺門前町計画(仮称)」が上京区、「カペラ京都」が東山区で開業する。客室数300以上のヒルトン京都を除けば、規模はそれほど大きくないが、海外富裕層の目がますます京都へ向くことは間違いない。