絵日記のテーマが見つからない!テーマの見つけ方、表現を膨らませるためには?【教えて!赤ペン先生】
4.子どもの気持ちと言葉を一致させる体験を重ねる
私の知人の元小学校の先生から、こんな授業の話を聞いたことがあります。 まず、先生が黒板に、「どきどきする、すかっとする、うちょうてんになる、心がおどる、はらはらする、ひやひやする」などのような、いろいろな気持ちを表す言葉をたくさん書きます。次に、クラス全員が、それぞれ今の自分の気持ちに合った言葉を選んで、そこに自分の名前を書いた紙を、マグネットで貼り付けていくという授業です。 自分では思いつかないような言葉でも、選ぶことはできます。自分の気持ちに合った言葉を選ぶので、気持ちと言葉が一致します。日頃、発表が苦手で自分の考えを言えない子どもでも、意思表示ができるので、授業は盛り上がり、どの子も、いきいきと目を輝かせていたそうです。 ご家庭でも、このように、おうちのかたが気持ちを表す言葉を例に挙げて、お子さまに今の気持ちに合った言葉を選ばせてみてはいかがでしょう。ゲーム感覚で、どれを選ぶか当てっこするのもいいですね。気持ちと言葉の一致を実感することによって、徐々に気持ちを表す言葉のバリエーションが増えていきます。 また、こんな授業もしたそうです。 「思わずガッツポーズをしました」「みんなでおなかをかかえて大笑いしました」「試合に負けて涙がポロポロ出てきました」などのような短文を先生が黒板に書いて、どんな気持ちが伝わるかを考えさせる授業です。「うれしい」「楽しい」「悲しい」などの言葉を使わなくても、様子を詳しく書くことで、それらの気持ちを伝えられることを子どもは学びます。 そして、次は実践です。自分のことに置き換え、そういった言葉を使わないで文を書かせます。繰り返し書かせることで、どの子も表現の幅が見違えるほど広がっていったそうです。 ご家庭でも、ぜひ、お試しください。
まとめ & 実践 TIPS
子どもは、生まれた時から模倣しながら成長していきます。文章を書くことも同じです。最初は、《まね》から始めてよいと思います。(小説を書き写すことをずっと続けていたら、自分も小説を書けるようになって作家になったという話も聞いたことがあります)。 お手本になるような、同年代の子どもが書いた日記や作文を読ませたり、読み聞かせたりするのもいいですね。 そして、何より大切なことは、お子さまの《心を動かす》ことです。おうちのかたの体験を生かして、お子さまの体験を広げていってあげてください。みずみずしい感性が育っていくことでしょう。それが、豊かな表現力にもつながっていくように思います。