【MotoGP】“マーケティング・ビースト”のマルケス相手なら負けても仕方ない……マルティン、ドゥカティ昇格バトルに白旗?
ドゥカティは2025年シーズンにファクトリーチームに起用するライダーの選定を進めているが、マルク・マルケス(グレシーニ)がその候補のひとりとなっている。彼とシートを争っているホルヘ・マルティン(プラマック)は、ライバルのマーケティング上の強さから、敗れたとしてもそれは理解できると語った。 【ランキング】マルケス、ドゥカティのマシンの”癖”を早くも掴んだ?|MotoGPライダーランキング 今シーズンからドゥカティ陣営に加入したマルケスは、第4戦スペインGPでポールポジションと決勝で2位を獲得。既にドゥカティのMotoGPマシンへの適応を終えたと断言する彼は、昨年までのホンダでの苦戦がウソのように上位を争う存在となった。 そんなマルケスの出現によって、2025年のドゥカティのファクトリーチームのシート争いは混沌としてきた。昨年ランキング2位となったマルティンと現在ファクトリーチームで走るエネア・バスティアニーニだけの争いではなくなったのだ。 MotoGPクラスで6度、中小排気量で1度ずつ、計8度の世界チャンピオンを獲得しているマルケスは、今のMotoGPでは最も名の売れているライダーだろう。マルティンは、そんなマルケスを“マーケティング・ビースト”と称し、そういった理由からファクトリーチームへ抜擢されても、それは理解できると語った。 「僕もそれは理解できるよ。マルク・マルケスは8度の世界チャンピオンで、彼はマーケティング的には“ビースト”だし、そういった立場は理解できる」 マルケスがドゥカティのファクトリーチームのシートを射止める可能性について、マルティンはそう語った。 「他のブランドは何が起こるかを待っていて、その場合なら僕に興味を持ってくれているというのは、自分ごとだけど安心させてくれるよ。何が起ころうと、僕が乗るバイクが無いということはないだろうし、僕にはいい選択肢がある」 マルティンは2023年にもドゥカティファクトリーチームへの昇格を目指したが、その際はバスティアニーニに敗れる形で終わった。昨年もタイトルを獲得していれば、入れ替えでファクトリーチームへ昇格する可能性があったが、バニャイヤとの戦いに敗れたことでそれは叶わなかった。 マルティンは、自分の直面している将来に付いての不確実性は、自らにとっては特段目新しいものではないと語る。 「もう慣れているからね。この3年間は同じことだった。僕が行こうが、他の誰かが行こうが……既に僕には影響を与えるものじゃなくなっている」 「マネジメントも、環境も選択肢もハッキリとしている。僕は落ち着いているんだ。結論に近づいているけど、2週間もすれば明らかになってくるだろう。それまでは何も言えないね」 マルティンはドゥカティのファクトリーチームへ加入できなかった場合、他のメーカーでシートを探すだろうと以前から示唆していて、プラマック側もマルティンが所属するのは今季が最後だと示している。 ドゥカティを離れる可能性について訊かれたマルティンは「現時点では、そのことについては考えていない」と言う。 「それは起こり得ることだし、可能性は無限大だけど……僕はドゥカティのファクトリーチームにいる自分を夢見ている」 「どうなるかは分からないけど、いろいろな可能性があるからね。もしかしたら来年僕は自宅でサバティカル休暇をとっているかもしれない」 「そうはならないことを願っているよ。でも、あまり長引くとバイクが確保できないかもしれない。今、僕は(チャンピオンシップに)勝ちたいと思っているし、レースにだって勝ちたいんだ」 「僕の第一の選択肢はとても明確だ。それが叶わないなら、他の選択肢を選ぶよ。僕の考えは勝利を狙えるバイクか、それか勝てるプロジェクトにあるんだ」 「今は勝つことと、ベストなバイクを手にする事に集中している。それが僕の唯一考えていることだ。何が起こるかは、僕次第じゃないよ」 「アプリリアは勝てるバイクだし、KTMもそうだ。ホンダとヤマハは、数年でそうなってくるだろう。でも今のところ、僕は若いし勝ちたいと思っているんだ」
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