日本代表・森保新監督が抱える五輪監督兼任という難題
準備期間が極めて限られていたこともあり、西野朗前監督(63)はベテランや中堅の経験を生かすチーム編成を選んだ。結果は2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を果たしたが、主力の最年少が25歳のDF昌子源(鹿島アントラーズ)という状況は、将来へつながる財産がごく限られたものだった非情な現実も意味する。だからこそ、今後へ向けた森保監督の言葉にも力が込められる。 「日本サッカー界の発展のために、結果を怖がらずにトライしていきたい。その過程で痛い思いをすることや失敗もあると思いますが、自分が正しいと思うことをやり切りたい。2つの代表の監督を務めていくには覚悟が必要だと思いますし、多くの方に支えられて活動できることに感謝しながら、覚悟と感謝の2つの気持ちをもって職責をまっとうしていきたい」 育てながら勝つ仕事を進めながら、56年ぶりの自国開催となる五輪で確固たる結果を残すことも求められる。JFAからのオファーを即決した49歳の指揮官は「嬉しいとか、そういう思いはいっさい浮かびませんでした」と、貪欲に二兎を追う決意を引き締めた表情に漂わせた。 (文責・藤江直人/スポーツライター)